アフターピルを飲んだあとの消退出血と着床出血の違いを解説!妊娠の可能性を考える目安も解説
「アフターピルを飲んだ後に出血があったけど、これは消退出血なのか着床出血なのか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
消退出血と着床出血はどちらも少量の出血ですが、意味は全く異なります。
消退出血はアフターピルの影響で子宮内膜が剥がれて起こる出血であり、避妊成功のサインのひとつです。
一方で着床出血は受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる出血であり、妊娠のサインとなります。
両者を見分けることは避妊が成功したかどうかを判断する上で重要ですが、出血だけで完全に区別することは難しい場合もあります。
本記事では消退出血と着床出血の違い、見分け方、消退出血が来ない場合の対処法について詳しく解説していきます。
アフターピル後の消退出血と着床出血の見分け方
アフターピル服用後に見られる出血が消退出血なのか着床出血なのかを判断するには、時期、量、性状などの違いを理解しておくことが大切です。
以下の表で両者の特徴を比較してみましょう。
【消退出血と着床出血の比較】
| 項目 | 消退出血 | 着床出血 |
|---|---|---|
| 出現時期 | 服用後3〜7日(遅くとも2週間以内) | 排卵・性行為から6〜12日後(生理予定日の数日前) |
| 出血量 | 少量〜中程度 | ごく少量(おりものに混じる程度) |
| 出血の色 | 鮮血〜褐色 | ピンク〜薄茶色 |
| 持続期間 | 2〜5日程度 | 1〜2日程度 |
| 出血以外の症状 | 軽い腹痛、倦怠感など | ほとんどなし(軽い下腹部痛がある人も) |
| 意味 | 避妊成功の可能性が高い | 妊娠の可能性が高い |
消退出血は服用後比較的早い時期に起こり、着床出血は生理予定日の少し前に起こることが多いとされています。
ただし出血のタイミングが重なることもあり、出血だけで確実に判断することは困難です。
不安な場合は性行為から3週間以上経過した後に妊娠検査薬で確認することをおすすめします。
消退出血の量・期間・性状
消退出血はアフターピルに含まれるホルモン成分の影響で、子宮内膜が剥がれ落ちることで起こる出血です。
医学的には離脱出血(withdrawal bleeding)とも呼ばれ、アフターピル服用後の副作用として比較的よく見られる現象です。
ノルレボの添付文書によると、消退出血が見られるのは服用者の約46%程度とされています。
消退出血の特徴として、出血量は通常の生理より少なめであることが多いです。
サラサラとした血液や、少量ずつの出血として現れることが一般的でしょう。
出血の色は鮮血から褐色までさまざまで、時間の経過とともに色が変化することもあります。
持続期間は2〜5日程度が多く、通常の生理より短いことがほとんどです。
消退出血が見られれば避妊成功の可能性が高いと考えられますが、出血があっても妊娠していないとは限らないため、不安な場合は検査で確認しましょう。
着床出血の量・期間・性状
着床出血は受精卵が子宮内膜に着床する際に、内膜の血管が傷つくことで起こる少量の出血です。
妊娠が成立したサインのひとつであり、妊娠した女性の約8〜25%に見られるとされています。
着床出血の特徴として、出血量はごく少量であることがほとんどです。
おりものに混じる程度の出血や、下着に少し付く程度の出血として現れることが多いでしょう。
出血の色はピンクから薄茶色が多く、鮮血よりも薄い色であることが特徴的です。
これは出血量が少なく、血液がおりものや粘液と混ざって薄まるためと考えられています。
持続期間は1〜2日程度と短く、長くても3日程度で終わることがほとんどです。
着床出血自体に痛みはないことが多いですが、軽い下腹部痛や胸の張りを感じる方もいます。
着床出血の後、数日〜1週間程度で妊娠検査薬が陽性になることが多いとされています。
消退出血の後の生理はいつくる?
アフターピルを飲んだ後の生理がいつ来るのか気になる方も多いでしょう。
消退出血と次の生理は別物であり、消退出血の後に通常の生理が来ることになります。
研究によると、70〜90%の女性でアフターピル服用後の生理が3〜7日早まるか遅れるとされています。
約50%の女性で生理周期に何らかの影響が出る可能性があることを理解しておきましょう。
生理が来るタイミングは、アフターピルを服用したタイミング(排卵前か排卵後か)によっても異なります。
ここでは排卵前と排卵後に服用した場合のそれぞれについて解説していきます。
排卵前に飲んだ場合は消退出血後に予定日付近で生理
排卵前にアフターピルを服用した場合、消退出血と次の生理は別々に起こることが多いです。
アフターピルによって排卵が抑制されると、まずホルモン変化による消退出血が服用後数日〜1週間程度で起こります。
その後、予定日付近に通常の生理が来るパターンが一般的でしょう。
排卵が抑制されているため、次の生理周期は通常通りに進むことが多いとされています。
ただしアフターピルの影響でホルモンバランスが乱れることがあり、生理が予定日より数日〜1週間程度ずれることもあります。
多少のずれは正常な反応であり、過度に心配する必要はありません。
生理予定日から1週間以上遅れる場合は、妊娠検査薬で確認することをおすすめします。
排卵後に飲んだ場合は消退出血がないまま生理がくることも
排卵後にアフターピルを服用した場合、消退出血がないまま生理が来ることがあります。
排卵後は子宮内膜がすでに厚くなっているため、消退出血と生理が一度に来て区別がつかないことがあるのです。
また排卵後の服用ではアフターピルによるホルモン変化の影響が小さく、消退出血自体が起こらないケースもあります。
消退出血がなくても予定通りに生理が来れば、避妊は成功していると考えてよいでしょう。
排卵後の服用ではアフターピルの避妊効果が限定的になりますが、出血の有無だけで避妊の成否を判断することはできません。
「消退出血がないまま生理が来た」という場合は、その生理が通常の量・期間であれば安心してよいケースがほとんどです。
不安が残る場合は性行為から3週間以上経過した後に妊娠検査薬で確認することをおすすめします。
アフターピルを飲んだあと消退出血がこない場合の対処法は?
アフターピルを服用した後に消退出血が来ないと、「妊娠してしまったのでは」と不安になる方も多いでしょう。
消退出血が来ない場合、考えられる可能性は主に2つあります。
1つ目は消退出血がないパターン、2つ目は妊娠しているパターンです。
どちらに該当するかを判断するためには、一定期間様子を見た上で必要に応じて妊娠検査を行うことが大切です。
ここでは消退出血が来ない場合の対処法について詳しく解説していきます。
消退出血がない場合が50%
消退出血は全員に起こるわけではなく、約50%の方には消退出血が見られないとされています。
ノルレボの添付文書によると、消退出血が確認されたのは服用者の約46%程度です。
消退出血が起こらない理由はいくつか考えられます。
排卵前にアフターピルを服用した場合は子宮内膜がまだ薄いため、剥がれ落ちる出血が少なく気づかないことがあります。
また消退出血と予定されていた生理が重なって、1回の出血で済むこともあるでしょう。
体質やホルモン応答によっても消退出血の起こりやすさは異なり、起こらない人も珍しくありません。
WHOやCDCの臨床報告でも「消退出血がないことも正常の範囲」と明記されています。
消退出血がなくても避妊に失敗したとは限らないため、過度に心配する必要はないでしょう。
3週間待っても出血がなければ妊娠検査薬で検査を
アフターピル服用から3週間経っても消退出血も生理も来ない場合は、妊娠の可能性を考えて妊娠検査薬で検査しましょう。
WHOやCDC(米国疾病予防管理センター)のガイドラインでも、服用後3週間経っても月経がなければ妊娠検査を行うことを推奨しています。
妊娠検査薬は性行為から3週間以上経過していれば、正確な結果が出やすいとされています。
検査で陽性が出た場合は、早めに産婦人科を受診して詳しい検査を受けてください。
陰性だったがまだ生理が来ない場合は、1週間後に再度検査を行うことをおすすめします。
再検査でも陰性であれば、ホルモンバランスの乱れやストレスによる月経遅延の可能性が高いでしょう。
不安を一人で抱え込まず、検査で結果を確認することで安心を得られます。
日頃からの避妊対策として低用量ピルという選択
緊急避妊が必要になる状況を減らすためには、日頃から確実な避妊対策を行うことが大切です。
継続的な避妊方法として低用量ピルの服用を検討してみてはいかがでしょうか。
低用量ピルは毎日1錠ずつ服用することで約99%以上の高い避妊効果が期待できるお薬です。
正しく服用していれば排卵が抑制されるため、緊急避妊が必要になるリスクを大幅に減らせます。
避妊以外にも生理痛の軽減、月経周期の安定、PMS(月経前症候群)の改善などの効果も期待できます。
エニピルではLINEで24時間相談を受け付けており、低用量ピルについても気軽に質問できます。
アフターピルを繰り返し使用するよりも、低用量ピルで計画的に避妊することで体への負担も軽減できるでしょう。
継続的な避妊を希望する方は、ぜひLINEで相談してみてください。
よくある質問
着床出血と消退出血の見分け方は?
着床出血はごく少量でピンク〜薄茶色、1〜2日で終わることが多いです。
消退出血は少量〜中程度で鮮血〜褐色、2〜5日程度続くことが多いとされています。
時期も異なり、消退出血は服用後3〜7日、着床出血は生理予定日の数日前に起こることが多いでしょう。
消退出血と生理の違いは?
消退出血はアフターピルの影響で起こる出血で、量は少なめ、期間も2〜5日程度と短いことが多いです。
生理は通常の月経周期で起こり、量も期間も普段通りであることがほとんどでしょう。
消退出血の後に予定日付近で通常の生理が来ることもあります。
アフターピルの消退出血はおりもの状ですか?
消退出血の性状には個人差があり、おりものに混じる程度の軽い出血から、サラサラとした血液まで様々です。
通常の生理よりは量が少ないことが多いですが、おりもの状とは限りません。
出血量が極端に少ない場合は着床出血の可能性も考慮し、3週間後に妊娠検査を行うと安心です。
着床出血はドロっとしていますか?
着床出血はドロっとしていることは少なく、サラサラとした薄い出血やおりものに混じる程度のことが多いです。
出血量がごく少量のため、おりものシートで十分対応できる程度であることがほとんどでしょう。
ドロっとした出血や塊が見られる場合は、着床出血ではなく別の原因が考えられます。
まとめ
アフターピル服用後の消退出血と着床出血は、時期・量・性状などの特徴が異なります。
消退出血は服用後3〜7日で起こり、少量〜中程度の出血が2〜5日程度続くことが多いでしょう。
着床出血は生理予定日の数日前に起こり、ごく少量の出血が1〜2日程度で終わることがほとんどです。
消退出血は約50%の方には見られないため、出血がなくても避妊に失敗したとは限りません。
排卵後に服用した場合は消退出血がないまま生理が来ることもあります。
服用から3週間経っても出血がない場合は、妊娠検査薬で確認することをおすすめします。
日頃からの避妊対策として低用量ピルを検討することで、緊急避妊が必要になるリスクを減らせるでしょう。

