アフターピルでおりものが増えることはある?妊娠の可能性やおりものの色別での見分け方を解説
アフターピルを服用した後に「おりものが増えた気がする」と感じる方は少なくありません。
普段と違う体の変化があると妊娠してしまったのではないかと不安になることもあるでしょう。
実際にアフターピル服用後はホルモンバランスの変化によっておりものの量や質が変化することがあります。
ただしおりものの変化だけで妊娠の有無を判断することはできません。
本記事ではアフターピル服用後におりものが増える原因やおりものの色別での症状の見分け方、消退出血や着床出血との違いについて詳しく解説していきます。
服用後の体の変化に不安を感じている方はぜひ参考にしてください。
アフターピル服用後、おりものが増えることが大半
アフターピルを服用した後はおりものの量が増えたと感じる方が多くいます。
これはアフターピルに含まれるホルモン成分が体内のホルモンバランスに影響を与えるために起こる現象です。
おりものの量だけでなく質感や色が変化することもあります。
普段よりも水っぽくなったりとろみが増したりといった変化を感じる方もいるでしょう。
こうした変化はアフターピルの作用による一時的なものであり多くの場合は数日〜1週間程度で落ち着きます。
おりものが増えたからといって必ずしも異常があるわけではないため過度に心配する必要はありません。
アフターピル服用後におりものが増える原因
アフターピル服用後におりものが増える原因はいくつかあります。
主な原因としてはホルモンバランスの変化、消退出血の準備、不正出血の3つが挙げられます。
これらの原因について理解しておくことで服用後の体の変化に対する不安を軽減できるでしょう。
ホルモンバランスの変化
アフターピルに含まれる黄体ホルモンなどが子宮内膜や頸管の分泌に影響を与えることでおりものが増えることがあります。
アフターピルは排卵を抑制したり遅らせたりするために高用量のホルモン成分を含んでいます。
このホルモン成分が体内に入ることで一時的にホルモンバランスが大きく変化します。
ホルモンバランスが変化すると子宮頸管から分泌される粘液の量や質が変わりおりものとして体外に排出される量も変化するのです。
特に黄体ホルモンの影響を受けるとおりものが白っぽく粘り気のある状態になることがあります。
こうした変化は一時的なものでありホルモンバランスが安定すれば元に戻ることがほとんどです。
服用後数日〜1週間程度で落ち着くことが多いため様子を見てみてください。
消退出血の準備
子宮内膜が剥がれ落ちる準備としておりものの量や質が変化することがあります。
アフターピルを服用すると子宮内膜が維持できなくなり剥がれ落ちる準備が始まります。
この過程で子宮内膜や頸管から分泌物が増えおりものとして排出されることがあるのです。
消退出血が始まる前兆としておりものが増えたり茶色っぽいおりものが出たりすることがあります。
消退出血は服用後数日〜3週間以内に起こることが多いとされています。
おりものが増えた後に出血が見られれば消退出血が始まったサインと考えられます。
消退出血が確認できれば避妊が成功した可能性が高いため安心できるひとつの目安になるでしょう。
不正出血
ホルモンバランスの乱れにより少量の出血がおりものに混ざりおりものが増えたように感じられることがあります。
アフターピル服用後は体内のホルモンバランスが急激に変化するため不正出血が起こりやすい状態になります。
出血量がごく少量の場合は鮮やかな赤色ではなく茶色やピンク色のおりものとして排出されることがあります。
こうした少量の出血がおりものに混ざることでおりものの量が増えたように感じられるのです。
不正出血自体はアフターピルの副作用としてよく見られる症状であり多くの場合は心配する必要はありません。
ただし出血量が多い場合や長期間続く場合は医師に相談することをおすすめします。
数日で出血がおさまれば問題ないことがほとんどです。
おりものの色別での症状の見分け方
おりものの色は体の状態を知るひとつの手がかりになります。
アフターピル服用後に限らずおりものの色によって正常な状態なのか注意が必要な状態なのかをある程度判断できます。
ここではおりものの色別に考えられる症状について解説していきます。
透明または白色
透明または白色のおりものは正常な状態であることがほとんどです。
健康なおりものは透明から白っぽい色をしており卵白のような粘り気があることもあります。
アフターピル服用後にこうした色のおりものが増えた場合はホルモンバランスの変化による一時的な増加と考えられます。
においが強くなくかゆみや痛みがなければ特に心配する必要はありません。
排卵期には透明でよく伸びるおりものが増えることがありますがこれも正常な変化です。
白色のおりものでもヨーグルト状や酒粕状でかゆみを伴う場合はカンジダ膣炎の可能性があるため婦人科を受診してください。
服用後の一時的な変化であれば数日で落ち着くことが多いため様子を見てみましょう。
黄色や黄緑色
黄色や黄緑色のおりものが見られる場合は感染症の可能性があるため注意が必要です。
正常なおりものは透明から白っぽい色をしているため黄色や黄緑色は異常なサインである可能性があります。
特に強いにおいを伴う場合やかゆみ、痛みがある場合は細菌性膣症やクラミジア、淋病などの性感染症の可能性が考えられます。
アフターピルの服用とは関係なくもともと感染していた可能性もあるため心当たりがある場合は早めに婦人科を受診してください。
感染症は放置すると悪化したり他の部位に広がったりする恐れがあります。
黄色っぽいおりものでもにおいやかゆみがなく少量であれば古いおりものが排出されているだけの可能性もあります。
判断に迷う場合は医師に相談することをおすすめします。
茶色やピンク色
茶色やピンク色のおりものは少量の血液が混ざっている状態であることが多いです。
アフターピル服用後に茶色やピンク色のおりものが見られた場合は不正出血や消退出血の始まりと考えられます。
古い血液は酸化して茶色くなるため出血から時間が経ってから排出されると茶色っぽいおりものになります。
新しい血液が少量混ざるとピンク色のおりものとして見えることがあります。
消退出血の前兆として茶色やピンク色のおりものが出ることは珍しくありません。
その後に本格的な出血が始まれば消退出血が起こっていると判断できます。
茶色やピンク色のおりものが長期間続く場合や量が多い場合は医師に相談することをおすすめします。
灰色
灰色のおりものが見られる場合は細菌性膣症の可能性があるため注意が必要です。
細菌性膣症は膣内の細菌バランスが崩れることで起こる感染症で灰色や灰白色のおりものが特徴的な症状のひとつです。
魚のような生臭いにおいを伴うことが多く特に性行為後や生理後ににおいが強くなることがあります。
アフターピルの服用によって膣内環境が変化し細菌バランスが崩れることで発症する可能性もあります。
細菌性膣症は自然に治ることもありますが放置すると症状が悪化したり他の感染症にかかりやすくなったりする恐れがあります。
灰色のおりものが見られた場合は早めに婦人科を受診して適切な治療を受けることをおすすめします。
抗菌薬による治療で比較的短期間で改善することが多いです。
アフターピル服用後のおりもので妊娠しているかわかる?
アフターピル服用後のおりものの変化だけで妊娠の有無を判断することはできません。
おりものの量や質が変化する原因はホルモンバランスの変化や消退出血の準備などさまざまであり妊娠に特有の変化ではないためです。
妊娠初期にはおりものが増えることがあるとされていますがアフターピル服用後のおりものの増加と区別することは困難です。
また妊娠していてもおりものに目立った変化がないケースもあります。
おりものの変化だけを見て妊娠しているかどうかを判断しようとするのは避けたほうがよいでしょう。
妊娠の有無を確実に知るためには妊娠検査薬を使用するか医療機関で検査を受ける必要があります。
おりものと消退出血、生理、着床出血の見分け方
アフターピル服用後は消退出血、通常の生理、着床出血など複数の出血の可能性があります。
それぞれの特徴を理解しておくことで自分の体に起こっている変化を把握しやすくなるでしょう。
消退出血
消退出血はアフターピル服用後に見られる出血で避妊が成功したサインのひとつです。
服用後数日〜3週間以内に起こることが多いとされています。
出血量は通常の生理よりも少ないことが多いですが個人差があります。
期間も通常の生理より短い傾向があり数日で終わることがほとんどです。
色は鮮やかな赤色から茶色っぽい色までさまざまです。
通常の生理
通常の生理は予測される生理予定日前後に起こります。
出血量や期間は個人によってほぼ一定であり毎月同じようなパターンで起こることが多いです。
アフターピル服用後は生理周期が乱れることがあり予定日より早くなったり遅くなったりする場合があります。
通常の生理であれば出血量や期間がいつもとほぼ同じであることが目安になります。
着床出血
着床出血は受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる出血で妊娠のサインのひとつです。
受精後7〜14日頃に起こることがあり生理予定日の数日前に見られることが多いです。
出血量はごく少量で数日で終わることがほとんどです。
色はピンク色や茶色っぽいことが多く鮮やかな赤色になることは少ないとされています。
ただし着床出血は全員に起こるわけではなく妊娠していても出血がないケースのほうが多いです。
いつまでに生理が来なかったら妊娠している?
アフターピル服用後に生理予定日を1週間以上過ぎても生理が来ない場合は妊娠の可能性を考える必要があります。
アフターピルの影響で生理周期が乱れることがあるため数日程度のずれは珍しくありません。
服用後は生理が早く来たり遅れたりすることがあり通常は1〜2周期で元に戻ります。
しかし生理予定日から1週間以上経過しても生理が来ない場合は妊娠検査薬で確認することをおすすめします。
性行為から3週間以上経過していれば妊娠検査薬で正確な結果が出やすいとされています。
検査結果が陰性でも生理が来ない状態が続く場合は医師に相談してみてください。
確実に妊娠しているかを見分けるには妊娠検査薬が必要
おりものの変化や出血の有無だけでは妊娠しているかどうかを確実に判断することはできません。
妊娠の有無を正確に知るためには妊娠検査薬を使用するか医療機関で検査を受ける必要があります。
妊娠検査薬は薬局やドラッグストアで購入でき自宅で手軽に検査できます。
性行為から3週間以上経過してから使用すると正確な結果が出やすいとされています。
朝一番の尿を使用すると精度が高くなるため検査のタイミングに注意してください。
検査結果が陽性の場合はできるだけ早く産婦人科を受診してください。
陰性の結果が出ても生理が来ない場合は数日後に再度検査するか医師に相談することをおすすめします。
まとめ
アフターピル服用後はホルモンバランスの変化によっておりものの量や質が変化することがあります。
透明や白色のおりものは正常な状態であることがほとんどですが黄色や灰色のおりものが見られる場合は感染症の可能性があるため注意が必要です。
茶色やピンク色のおりものは不正出血や消退出血の始まりと考えられます。
おりものの変化だけで妊娠の有無を判断することはできないため妊娠検査薬を使用することが大切です。
生理予定日を1週間以上過ぎても生理が来ない場合は妊娠検査薬で確認してください。
判断に迷う場合やおりものに異常を感じる場合は婦人科を受診することをおすすめします。
ひとりで悩まずに専門家に相談することで不安を解消できるでしょう。

