アフターピルは何時間以内なら間に合う?72時間が間に合わなさそうなときはどうする?
「避妊に失敗してしまった!」
「避妊に失敗したかもしれない日から日数が経ってしまった」
「アフターピルは何時間以内に飲めば間に合うの?」と焦っている方もいるのではないでしょうか?
アフターピルは72時間以内、または120時間以内に服用すれば避妊効果が期待でき、早く飲むほど成功率が高まります。
本記事では、アフターピルの有効時間、種類ごとの特徴、服用が遅れた場合の対処法、今すぐ入手する方法についてお伝えします。
アフターピルは最大120時間以内なら有効
アフターピルには72時間以内に服用するタイプ(ノルレボ/レボノルゲストレル)と、120時間(5日)以内まで使えるタイプ(エラ)の2種類があります。
どちらも定められた服用時間内であれば避妊が間に合う可能性が高いため、「もう遅いかも…」と思っても、まずは該当時間内かを確認することが大切です。
特に120時間用のエラは妊娠阻止率が高いとされており、性行為から時間が経っている場合でも選択肢になります。
またアフターピルは24時間以内の服用が理想と言われますが、これは排卵が起きる前に薬を作用させることで、排卵を遅らせて受精を防ぐ確率がより高くなるためです。
ただし24時間を過ぎていても、排卵前であれば避妊効果は十分期待できます。
さらにすでに排卵後だったとしてもアフターピルには受精卵の着床を妨げる作用があるため、服用期限内であれば避妊成功につながるケースが多いです。
「72時間・120時間の範囲内であれば間に合う可能性が高い」ということを覚えておきましょう。
アフターピルで早めに服用した方が避妊成功しやすい理由
アフターピルは服用が早いほど避妊成功率が高まります。
これはアフターピルの作用の仕組みに関係しており、排卵前に服用することで効果を発揮しやすくなるためです。
ここでは早めの服用が推奨される理由と時間経過による避妊率の変化についてお伝えします。
排卵を遅らせられる可能性がある
アフターピルの最も重要な作用は排卵を遅らせる(排卵を一時的に止める)ことです。
妊娠は排卵した卵子が精子と出会って受精することから始まるため、排卵が起きなければ妊娠は成立しません。
卵子が精子と出会う前にアフターピルを飲み、排卵を遅らせられれば避妊できる確率が高いということです。
アフターピルを排卵前に服用すると卵子が卵巣から放出されるタイミングを遅らせることができ、精子と卵子が出会う可能性を大きく下げられます。
精子は体内で約3〜5日生存するとされていますが、アフターピルによって排卵が遅れることで精子の受精能力が失われるまで排卵を先送りでき、結果として受精そのものを防ぎやすくなる仕組みです。
排卵のタイミングは自分では正確に把握できないため、できるだけ早く服用することが避妊成功のカギとなります。
時間が経つほど排卵が起こる可能性が高まるため気づいた時点ですぐに行動することが大切です。
子宮内膜を妊娠しにくい状態にできる
アフターピルには子宮内膜の状態を変化させて妊娠しにくい環境をつくる作用があるとされています。
そのため排卵が起こって受精が成立した後であっても、受精卵が子宮内膜に着床しにくくなる可能性があり、妊娠を防ぐ効果が期待できます。
ただしこの作用は排卵抑制ほど明確に証明されているわけではなく、WHOや添付文書でもアフターピルの主な作用は「排卵を抑制・遅延させること」とされています。
またすでに着床が完了している場合にはアフターピルの効果は期待できません。
とはいえ受精卵が子宮内膜に着床を始めるのは排卵後6〜12日ほど経ってからとされています。
性行為からすぐに着床が起こるわけではなく、多くの場合はまだ着床前の段階です。
そのためアフターピルは最大120時間(5日以内)まで効果が期待できる薬として設計されており、「もう遅いかも…」と感じても着床前のタイミングであれば避妊できる可能性が十分残されています。
どれくらいで避妊失敗率はあがっていく?時間経過の目安
アフターピルの避妊効果は、服用までの時間が長くなるほど低下していきます。
24時間以内に服用した場合の妊娠阻止率はエラもノルレボ約99%ですが、72時間以上120時間以内ではエラの方が30%以上避妊率が高いデータがあります。
【服用タイミングと避妊率の目安】
| 服用タイミング | ノルレボの避妊率(目安) | エラの避妊率(目安) |
|---|---|---|
| 24時間 | 99.5% | 99.5% |
| 25~48時間 | 98.4% | 98.0% |
| 48~72時間 | 97.9% | 97.0% |
| 120時間 | 95.0% | 63.0% |
24時間~48時間時点でも120時間用アフターピルのエラの方が避妊率が高く、服用時間が長いことを踏まえてもエラを選択するほうが安心と言えるでしょう。
「72時間用のノルレボを処方してもらったけど間に合わなさそう」「今から72時間用のアフターピルを処方して間に合うの?」といった方は120時間用のエラを最初から処方してもらうことがおすすめです。
まず医療機関に相談して処方を受けることを優先しましょう。
アフターピルを飲めなかった場合の妊娠率はどれくらい?
アフターピルを飲まなかった場合の妊娠率は、性行為をしたタイミングが排卵日にどれだけ近いかで大きく変わります。
一番妊娠しやすいのは、「排卵日の2日前〜排卵当日」のあたりです。
有名な研究では、避妊なしで性行為をした場合の妊娠率は次のように報告されています。
つまり一度の性行為でも10%近く妊娠する日があるということです。
逆に排卵日から離れていれば妊娠率はどんどん下がり、排卵の3日後以降はほぼ0%に近づきます。
しかし自分の排卵日を正確に把握することは難しいため、「妊娠しにくい時期だから大丈夫」と判断するのは危険です。
生理が数日ズレただけでも排卵日は簡単にズレるため、「今は排卵日じゃないから大丈夫」と考えていても、実際には妊娠しやすい日に当たっていたというケースは珍しくありません。
そのためアフターピルを飲めなかった場合は、排卵のタイミングによっては妊娠率が最大10%ほど残ってしまうと理解しておくことが大切です。
アフターピルを服用すればこれらの妊娠リスクを大幅に下げることが可能なため、少しでも不安がある場合は、自己判断せず医師に相談することをおすすめします。
アフターピルの種類
アフターピルにはいくつかの種類があり、それぞれ有効時間や成分が異なります。
よく処方されるアフターピルは主に2種類で、72時間用のレボノルゲストレル(ノルレボ)と120時間用のウリプリスタール(エラ)です。
以前はヤッペ法という方法も用いられていましたが現在はほとんど使用されていません。
ここでは、それぞれの特徴と違いについてお伝えします。
レボノルゲストレル(ノルレボ)/72時間以内服用
レボノルゲストレルは日本で最も広く処方されているアフターピルです。
先発品の「ノルレボ」とジェネリック医薬品の「レボノルゲストレル錠」があり、成分・効果は同等です。
性行為から72時間(3日間)以内に1錠を服用することで、排卵を抑制・遅延させ妊娠を防ぐ効果が期待できます。
副作用は吐き気や頭痛などが一時的に現れることがありますが、多くは24時間以内に治まります。
ジェネリック医薬品であれば8,000〜12,000円程度で処方を受けられる医療機関もあるため、費用面でも選択しやすいお薬です。
ウリプリスタール(エラ)/120時間以内服用
ウリプリスタール酢酸エステルを有効成分とする「エラワン(エラ)」は、120時間(5日間)以内の服用で効果が期待できるアフターピルです。
72時間を超えてしまった場合でも服用の意味があるため、時間が経過してしまった方の選択肢となります。
エラはレボノルゲストレルとは異なる成分のため、排卵直前でも効果が期待しやすいとされており、妊娠阻止率もノルレボより高いことが報告されています。
また、吐き気などの副作用がノルレボより弱いとされる点も特徴です。
価格は13,000〜20,000円程度と案内されることが多いものの、クリニックによってはノルレボとほぼ同じ価格で提供されている場合もあります。
ヤッペ法
ヤッペ法は中用量ピルを2回に分けて服用する緊急避妊法です。
かつてはアフターピルが普及する前に用いられていた方法ですが、現在はほとんど使用されていません。
ノルレボやエラワンと比較すると避妊効果が低く、吐き気などの副作用も強く出やすいためです。
72時間以内に1回目を服用し、その12時間後に2回目を服用する必要があり、飲み忘れのリスクもあります。
現在では、レボノルゲストレルやウリプリスタールの方が効果・安心性ともに優れているため、第一選択にはなりません。
ヤッペ法しか選択肢がない状況は考えにくいため、通常はノルレボまたはエラワンの処方を受けることになります。
服用が遅れた場合避妊効果はなくなるの?
「72時間を過ぎてしまったからもう意味がないのでは…」と思う方もいるかもしれませんが、服用時間内であればしっかり避妊効果は期待できます。
72時間用のレボノルゲストレル(ノルレボ系)は72時間以内に飲めば十分な避妊効果が期待できる薬です。
多少の誤差で72時間を少し超えてしまっても、排卵前であれば効果が残っている可能性があります。
さらに120時間用のエラ(エラワン)は最大5日(120時間)まで有効とされており、72時間を過ぎてしまった場合でも、服用期限内なら妊娠阻止効果がしっかり期待できます。
また、120時間をわずかに過ぎてしまった場合でも、排卵状況によっては妊娠を防げる可能性が残っているケースがあると報告されています。
(ただし、時間経過とともに効果は低下するため、早い服用が最も重要です。)
つまり
「服用が遅れた=避妊失敗」というわけではありません。
少しでも早い相談・服用が、妊娠リスクを下げる一番のポイントです。
服用が遅れた場合に避妊効果が下がる理由
アフターピルの避妊効果が時間とともに低下するのは主な作用が「排卵抑制」であることに関係しています。
性行為から時間が経過するほど、排卵がすでに起こってしまっている可能性が高まります。
排卵後に服用した場合排卵を止める・遅らせるという作用が発揮されないため、避妊効果が得られにくくなるのです。
精子は体内で3〜5日間生存できるため、その間に排卵が起これば受精が成立する可能性があります。
アフターピルは着床を完全に防ぐお薬ではないため、受精後や着床後には効果が期待できません。
だからこそ、排卵前の早い段階で服用することが避妊成功率を高める最も重要なポイントとなります。
アフターピル服用が遅れた場合の対処法
服用が遅れてしまった場合でもまだできることはあります。
「もう手遅れかもしれない」と諦める前に、以下の対処法を確認しておきましょう。
遅れてもアフターピルを飲む
服用が遅れてしまった場合でも期限内であればアフターピルを服用する意味があります。
72時間を過ぎていても、120時間用のエラ・エラワンであれば効果が期待できます。
また72時間用のレボノルゲストレルであっても、72時間をわずかに超えた程度であれば一定の効果が残っている可能性があります。
「遅れたから飲んでも意味がない」と判断して何もしないのが、最も避けるべき選択です。
医師に経過時間を正確に伝え、自分の状況に合ったお薬を処方してもらいましょう。
少しでも妊娠リスクを下げるために、まずは服用することを優先してください。
婦人科・産婦人科で相談する
服用が遅れてしまった場合やすでに期限を過ぎてしまった場合は、産婦人科で相談することをおすすめします。
医師に状況を伝えれば今からでもできる対応についてアドバイスを受けられます。
120時間用のエラを処方してもらえる可能性や今後の経過観察について確認できるでしょう。
また万が一妊娠していた場合の対応についても早い段階で相談しておくことが大切です。
オンライン診療であれば深夜や休日でも医師に相談できるクリニックがあります。
一人で悩まず、専門家の判断を仰ぐことで不安を軽減できます。
妊娠しているかはいつからわかる?
アフターピルを服用した後「避妊できたかどうか」を確認するには、生理が来るのを待つか、妊娠検査薬を使用します。
通常アフターピル服用後は3週間以内に生理が来れば避妊成功の目安となります。
妊娠検査薬は性行為から3週間以上経過していれば正確な結果が出やすいとされています。
それより早い時期に検査しても正確な判定ができない可能性があるため注意が必要です。
3週間経っても生理が来ない場合は妊娠検査薬を使用し、陽性であれば婦人科、産婦人科を受診してください。
陰性であっても生理が来ない状態が続く場合は、ホルモンバランスの乱れなど他の原因が考えられるため医師に相談しましょう。
今すぐにアフターピルが欲しい場合の選択肢
アフターピルは服用が早いほど効果が高まるため今すぐ入手したいという方も多いでしょう。
入手方法としてはオンライン診療と産婦人科への通院の2つがあります。
それぞれのメリットと特徴を理解して、自分の状況に合った方法を選びましょう。
オンライン診療のバイク便
オンライン診療ではバイク便を利用することで最短1時間程度でお薬を受け取れる場合があります。
24時間対応のクリニックであれば、深夜でも診察を受けて処方を依頼することが可能です。
バイク便の対応エリアは東京23区内や大阪市内など都市部に限られますが、対象地域にお住まいの方には非常に便利なサービスです。
バイク便には別途料金がかかることが多いですが、一刻も早くお薬が欲しい場合には検討する価値があるでしょう。
受付時間が夕方までに限られているクリニックもあるため、事前に対応時間を確認しておくと安心です。
当日中にお薬が届く地域もあるため、迷っている時間があればまず医師に相談してみましょう。
婦人科・産婦人科
婦人科・産婦人科を受診すれば、診察後その場でアフターピルを受け取れます。
平日の日中であれば、近隣の産婦人科に連絡して当日受診できるか確認してみましょう。
受診後すぐにお薬を手渡してもらえるため、配送を待つ必要がないのがメリットです。
ただし、夜間や休日は診療していない医療機関がほとんどのため、タイミングによってはオンライン診療の方が早い場合もあります。
救急外来で対応してもらえるケースもありますが、すべての施設で処方しているわけではありません。
時間帯や曜日によって最適な選択肢が変わるため、自分の状況に合わせて判断することが大切です。
バイク便があるオンライン診療
バイク便に対応したオンライン診療クリニックであれば、最短1時間程度でアフターピルを受け取れます。
ここでは、バイク便に対応している主なクリニックをご案内します。
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即日届くオンライン診療
バイク便対応エリア外の方でも、当日発送・翌日届くオンライン診療を利用すれば、最短で翌日にはお薬を受け取れます。
ここでは、即日発送に対応している主なクリニックをご案内します。
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まとめ
アフターピルは、72時間以内または120時間以内に服用すれば避妊効果が期待できます。
服用が早いほど避妊成功率は高まり、24時間以内であれば約95%の妊娠阻止率が報告されています。
72時間を超えてしまった場合でも、120時間用のエラワンであれば効果が期待できるため、諦める必要はありません。
服用が遅れた場合でも「飲んでも意味がない」と判断せず、まずは医療機関に相談しましょう。
オンライン診療であれば24時間対応しているクリニックもあり、バイク便を利用すれば最短1時間で届く場合もあります。
迷っている時間があれば、すぐに行動に移すことが避妊成功への近道です。
不安なことがあれば、自己判断せず医師に相談することをおすすめします。

