超低用量ピルの効果は?低用量ピルとの違いや副作用についても解説

生理痛やニキビなどの悩みを抱える女性にとって、超低用量ピルは救世主となる可能性があります。
しかし服用には注意点もあるため、自身の症状に合っているのか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、超低用量ピルの効果や副作用、低用量ピルとの違いについて詳しく解説します。超低用量ピルの処方を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
超低用量ピルとは
超低用量ピルとは、卵胞ホルモン(エストロゲン)の含有量が0.03mg未満の経口避妊薬のことを指します。
避妊効果は認められていませんが、月経困難症や子宮内膜症の治療に使用される医薬品です。
超低用量ピルは、医師の処方が必要な医療用医薬品であり、避妊目的での使用は適していません。
開発の背景と歴史
従来の経口避妊薬は、卵胞ホルモンの含有量が比較的多いため、副作用のリスクが懸念されていました。
そこで、副作用を軽減しつつ、月経困難症などの治療効果を維持する目的で開発されたのが超低用量ピルです。
日本では2008年に初めて超低用量ピルが承認され、現在では複数の製品が販売されています。
低用量ピルとの違い
低用量ピルと超低用量ピルの主な違いは、卵胞ホルモンの含有量です。
低用量ピルの卵胞ホルモン量は0.05mg程度ですが、超低用量ピルは0.03mg未満と、さらに少なくなっています。
これにより、人によっては低用量ピルで出ていた副作用がなくなったという例も多いです。
超低用量ピルは卵胞ホルモン量が少ないため、避妊効果は認められていませんが、月経困難症や子宮内膜症などの治療に用いられます。
一方、低用量ピルは避妊効果があり、幅広い適応症に使用されています。
超低用量ピルの処方を検討する際は、自身の症状や目的に合わせて、医療専門家に相談することが重要です。
超低用量ピルの効果
ここでは、超低用量ピルの主な効果について詳しく解説していきましょう。
生理痛の緩和
超低用量ピルは、子宮内膜の増殖を抑制し、経血量を減らす効果があります。
これにより、生理痛を緩和することができるのです。
生理痛は、子宮内膜が厚くなり過ぎることで起こります。
超低用量ピルは、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモンのバランスを調整し、子宮内膜の増殖を抑えることで、生理痛を和らげる働きがあるのです。
生理周期の正常化
不規則な生理周期に悩む女性にとって、超低用量ピルは救世主となる可能性があります。
超低用量ピルを服用することで、生理周期を安定させることができるのです。
超低用量ピルは、黄体ホルモンと卵胞ホルモンのバランスを整えることで、規則正しい生理周期を取り戻す手助けをしてくれます。
これにより、生理不順や無月経などの悩みを解消することができます。
ニキビや肌荒れの改善
ニキビや肌荒れに悩む女性にも、超低用量ピルはおすすめです。
超低用量ピルには、ニキビや肌荒れを改善する効果が期待できます。
その仕組みは、黄体ホルモンの分泌を抑制することにあります。
黄体ホルモンは、皮脂の分泌を促進する働きがあるため、過剰な分泌はニキビや肌荒れの原因となります。
超低用量ピルがこの黄体ホルモンの分泌を抑えることで、肌トラブルを改善することができるのです。
PMS(月経前症候群)の症状改善
PMS(月経前症候群)に悩む女性にとっても、超低用量ピルが役立つ可能性があります。
超低用量ピルには、PMSの症状を和らげる効果が期待できます。
PMSは、生理前に現れる様々な身体的・精神的症状を指します。
超低用量ピルは、黄体ホルモンと卵胞ホルモンのバランスを整えることで、これらのPMS症状を緩和する働きがあります。
イライラや落ち込み、頭痛などのつらい症状を和らげてくれます。
子宮内膜症への効果
子宮内膜症に悩む女性にとっても、超低用量ピルはおすすめです。
超低用量ピルには、子宮内膜症の進行を抑える効果が期待できるのです。
子宮内膜症は、本来子宮内にあるべき子宮内膜が、子宮以外の場所で増殖してしまう病気です。
超低用量ピルは、黄体ホルモンと卵胞ホルモンのバランスを調整することで、子宮内膜の増殖を抑制し、症状を改善する手助けをしてくれます。
超低用量ピルの副作用と注意点
超低用量ピルは月経困難症や子宮内膜症の治療に使用される医薬品ですが、副作用や注意点についても知っておく必要があります。
ここでは超低用量ピルの副作用と、服用にあたって注意すべきポイントを解説します。
主な副作用とその発生率
超低用量ピルの主な副作用には、頭痛(15.5%)や悪心(17.9%)などがあります。
その他、浮腫、眠気、動悸などの症状が現れることもありますが、これらの発生率は0.1~5%未満とされています。
副作用の症状や程度には個人差がありますが、服用開始から1~3ヶ月程度で症状が落ち着くことが多いです。
副作用が強く現れたり、長期間続く場合は医師に相談しましょう。
血栓症のリスクと注意が必要な患者
超低用量ピルの重大な副作用として、血栓症のリスクがあります。
血栓症とは、血管内で血液が固まることで血流が滞り、重篤な合併症を引き起こす疾患です。
以下のような患者は、血栓症のリスクが高いため、超低用量ピルの服用には特に注意が必要です。
これらに該当する場合は、医師とよく相談した上で、服用の可否を慎重に判断する必要があります。
避妊目的での使用は不適
超低用量ピルは医療用医薬品であり、避妊を目的とした使用には適していません。
あくまでも月経困難症や子宮内膜症などの治療薬として使用されるものです。
卵胞ホルモン量が極めて少ないため避妊効果は期待できず、避妊目的で服用しても望まない妊娠のリスクがあることを理解しておきましょう。
避妊を確実に行いたい場合は、他の避妊法を選択する必要があります。
服用方法と注意点
超低用量ピルの服用開始時期は、生理開始日から5日目までに服用を始めるのが一般的です。
1日1錠を毎日ほぼ同じ時間に飲み、シートが終わったら次のシートを続けて服用します。
飲み忘れた場合は、気づいた時点ですぐに1錠服用し、以後は通常通り服用を継続します。
2日以上の飲み忘れがあった場合は避妊効果が低下するため、その周期は他の避妊法を併用しましょう。
服用中は定期的な検診を受け、副作用の出現や病気の有無をチェックすることが大切です。
自己判断で服用を中止せず、医師の指示に従って服用を続けてください。
超低用量ピルの処方と入手方法
超低用量ピルは医療用医薬品であり、医師の処方が必要です。
ここでは、超低用量ピルの処方と入手方法について詳しく解説します。
医師の処方が必要な理由
超低用量ピルは、黄体ホルモンと卵胞ホルモンを含む医療用医薬品です。
これらのホルモンは、体内の微妙なバランスに影響を与えるため、医師による診察と処方が不可欠です。
前述したように、特に、血栓症のリスク要因がある患者には投与できない場合があります。
医師は患者の病歴や現在の健康状態を考慮し、超低用量ピルの処方が適切かどうかを判断します。
婦人科での対面診療
超低用量ピルを入手するには、まず婦人科を受診することが一般的です。
医師による問診や検査を通して、患者の症状や体質に合った処方がなされます。
対面診療では以下のようなメリットがあります。
オンライン診療による処方
近年、オンライン診療による超低用量ピルの処方も可能になりました。
事前の問診票記入と医師とのビデオ通話による診察を経て、処方箋が発行されます。
オンライン診療のメリットは以下の通りです。
ただし、初回の処方時は対面診療が推奨されています。
継続利用する場合は、定期的な対面診療と併用しましょう。
超低用量ピルの費用
超低用量ピルの費用は、診察料と薬代を合わせて月あたり数千円程度です。
保険適用外のため、全額自己負担となります。
オンライン診療の場合、診察料は3,000円~5,000円程度が相場です。
薬代は処方される薬の種類によって異なりますが、1シート(28錠)あたり1,000円~2,000円程度が一般的です。
超低用量ピルの処方と入手には医師の判断が不可欠ですが、対面診療とオンライン診療という選択肢があります。
自身の症状や生活スタイルに合わせて、適切な方法を選びましょう。
超低用量ピルに関するまとめ
この記事では、超低用量ピルの効果や副作用、低用量ピルとの違い、処方方法などについて詳しく解説しました。
超低用量ピルの服用を検討している方は、必ず医療機関を受診して医師に相談してください。
自己判断で服用を開始するのは避け、医師の指示に従って適切に使用しましょう。
オンライン診療も選択肢の一つですが、初回は対面診療が推奨されています。
定期的な検診を受けて、体調の変化にも注意を払いながら、自身に合った服用方法を見つけていきましょう。