生理をずっと止めることはできる?ピルが生理(月経)に与える影響を詳しく解説

生理の悩みを抱える女性にとって、「生理を止めることができたら…」と考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
実は、低用量ピルは避妊効果だけでなく、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)の働きにより、生理周期のコントロールにも役立つ医薬品です。
この記事では、ピルの服用によって生理をどの程度コントロールできるのか、完全に止めることは可能なのか、そしてピルが月経に与える影響について詳しく解説します。
ピルとは?生理への作用を理解しよう
ピルは女性が経口摂取する避妊薬ですが、それだけではなく生理に関する様々な症状を改善する効果もあります。
脳に妊娠したと錯覚させることで生理の諸症状を緩和し、生理周期を安定させる働きがあるのです。
ピルの種類と主な効果
ピルには大きく分けて「低用量ピル」「超低用量ピル」「中用量ピル」があります。
現在、日本で避妊や生理痛の改善などに処方されるのは主に低用量ピルと超低用量ピルです。
低用量ピルは黄体ホルモンと卵胞ホルモンの2種類のホルモンを含み、自然な形で脳に「妊娠中」と錯覚させることで排卵を抑制します。
主な効果としては以下のようなものがあります。
ピルが生理に与える4つの影響
ここでは、ピルが生理にどのような影響を与えるのか、具体的に解説します。
1. 生理周期を安定させる
ピルの一般的な服用スケジュールは「21日間の有効成分入りの錠剤を服用し、その後7日間の休薬期間(または偽薬期間)を設ける」というものです。
この休薬期間中に、子宮内膜が剥がれ落ちて「消退出血」という出血が起こります。これが擬似的な生理となります。
不規則な生理周期に悩んでいる方にとって、ピルは生理の予定を立てやすくし、身体のリズムを整える助けになります。
ただし、子宮筋腫や卵巣のう腫などの疾患が原因で生理不順が起きている場合は、ピルだけでは根本的な改善が難しいことがあります。
2. 月経血の量が減少する
ピルの作用によって子宮内膜の増殖が抑えられるため、通常よりも内膜が薄くなります。
その結果、経血量が大幅に減少することが多くの研究で確認されています。
研究データによると、2周期以上のピル服用により、月経血量が約43%減少したという報告があります。
経血量が多く日常生活に支障をきたしている方(月経過多)にとって、ピルは有効な対策となります。
まれに出血が完全になくなることもありますが、これは異常ではなく、ピルの服用をやめれば数ヶ月で元の状態に戻ります。
3. 生理痛やPMSを改善する
生理痛の主な原因は、子宮内膜から分泌される「プロスタグランジン」という物質です。
プロスタグランジンは子宮を強く収縮させることで、痛みを引き起こします。
ピルは子宮内膜を薄く保ち、プロスタグランジンの分泌量を減らすことで生理痛を軽減する効果があります。
毎月の生理痛で学校や仕事を休まざるを得ないほどの強い痛みに悩む方にとって、ピルは効果的な選択肢となります。
また、PMSの原因となる黄体ホルモンの急激な変動をピルが抑えることで、頭痛、イライラ、胸の張りなどの不快な症状も軽減される場合が多いです。
ピルはホルモンバランスを安定させることで、心身両面からPMSの症状を和らげる効果が期待できます。
4. 生理日を移動させることができる
ピルの大きなメリットの一つは、服用スケジュールを調整することで生理の時期をコントロールできる点です。
例えば、大切なイベントや旅行と生理が重なりそうな場合、ピルの服用を継続して休薬期間をずらすことで、生理のタイミングを変更することができます。
スポーツの大会や試験、結婚式など、生理と重なると困るイベントがある女性にとって、非常に便利な方法です。
ただし、医師の指導なしに自己判断で服用方法を変えるのは危険ですので、必ず医師に相談してから調整するようにしましょう。
生理をずっと止めることは可能なのか?
「生理を完全に止めることはできないの?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
これは、生理の悩みから解放されたいと考える女性にとって重要な問題です。
ピルで生理を長期間止める方法
通常のピルの服用サイクルでは、21日間の服用後に7日間の休薬期間を設け、この休薬期間中に消退出血(擬似的な生理)が起こります。
しかし、医師の指導のもとで、休薬期間を設けずに連続して服用することで、消退出血を一時的に避けることが可能です。
このような服用方法を「連続投与法」と呼び、生理の時期をずらしたい場合や、生理に伴う症状が重い場合に検討されることがあります。
ただし、すべての女性が生理を完全に止められるわけではありません。
最長どれくらい生理を止められるか
日本で承認されているヤーズフレックス(超低用量ピル)は、最大120日間(約4ヶ月)連続で服用することが可能です。
これにより、約4ヶ月間生理を遅らせることができます。
海外では、より長期間の連続服用が認められている国もありますが、日本での使用は医師の指導に従う必要があります。
完全に生理を止め続けることは現実的ではなく、また医学的にも推奨されていません。
長期間にわたって生理を止めることの安全性については、まだ十分な研究がされていないため、医師と相談しながら適切な期間を決めることが重要です。
生理を止めることの影響
生理を止めることで、不正出血が増えることがありますが、長期的な影響についてはまだ十分に解明されていません。
また、出血がないからといって油断していると、病気の進行に気づきにくくなります。
生理を止めることを検討する場合は、それにより受ける影響を理解した上で、必ず医師に相談しましょう。
医師の指導のもと、自分の体調や生活スタイルに合わせた最適な方法を選ぶことが何よりも大切です。
休薬期間以外に生理がくる(不正出血)の原因と対策
ピルを服用していても、予定外の時期に出血が起こることがあります。
これを不正出血と呼び、多くの女性が経験する現象です。
副作用としての不正出血
低用量ピルを服用している女性のうち、約20%が不正出血の副作用を経験すると言われています。
特にピルの服用を始めた最初の2〜3ヶ月は、体がホルモンの変化に適応する過程で不正出血が起きやすい時期です。
多くの場合、服用を継続していると自然に改善されることが多いですが、3ヶ月以上経っても改善しない場合は、ピルの種類や用量の変更を検討する必要があります。
飲み忘れもまた不正出血の大きな原因となりますので、毎日同じ時間に服用するよう心がけましょう。
病気が原因の場合
不正出血の原因が必ずしもピルの副作用とは限りません。時には病気のサインである可能性もあります。
子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮腺筋症などの良性疾患や、子宮頸がん、子宮体がんなどの悪性疾患でも不正出血が起こることがあります。
特に、出血の量や性状が通常と異なる場合や、長期間続く不正出血は注意が必要です。
もし、ピルを正しく服用しているにもかかわらず不正出血が続く場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
妊娠による出血
低用量ピルの避妊効果は、正しく服用した場合、非常に高く99.7%と言われています。
しかし、飲み忘れなどがあると避妊率は約92%まで低下し、妊娠のリスクが高まります。
妊娠初期には着床出血と呼ばれる少量の出血が起こることがあり、これが不正出血と勘違いされることがあります。
ピルを飲み忘れた後に出血があり、妊娠の可能性が心配な場合は、妊娠検査薬で確認するか、婦人科を受診することをお勧めします。
不正出血は多くの女性が経験する現象ですが、原因によって対処法が異なります。
副作用なのか、病気のサインなのか、あるいは妊娠の可能性があるのか、症状に応じて適切な対応をとることが重要です。
ピルの適切な服用方法と注意点
ピルの効果を最大限に引き出し、副作用を最小限に抑えるためには、適切な服用方法を守ることが重要です。
ここでは、ピルを安全に使用するための基本的な知識をお伝えします。
毎日決まった時間に服用する重要性
ピルは24時間ごとに服用することが理想的です。これにより血中のホルモン濃度を一定に保ち、効果を安定させることができます。
毎日同じ時間に服用することで、飲み忘れのリスクも減らせます。
生活スタイルに合わせて、朝起きたときや寝る前など、習慣化しやすいタイミングを選びましょう。
飲み忘れた場合の対処法
飲み忘れに気づいたら、できるだけ早く1錠服用し、翌日からは通常通りの時間に服用を再開します。
24時間以内の飲み忘れであれば、避妊効果への影響は比較的少ないとされています。
しかし、24時間以上経過している場合や、複数錠の飲み忘れがある場合は、避妊効果が低下する可能性があるため、次の生理が来るまでは追加の避妊手段を用いることが推奨されます。
飲み忘れを防ぐためには、スマートフォンのアラーム機能を活用したり、バッグに常にピルを携帯したりするなどの工夫が効果的です。
ピルを服用できない・中止すべき状況
ピルは万人に適しているわけではなく、いくつかの禁忌事項があります。
以下のような状況では、ピルの服用を避けるか、中止する必要があります。
これらの条件に該当する場合は、必ず医師に相談し、代替の避妊法や治療法を検討しましょう。
また、長期入院や手術など、血栓症のリスクが高まる状況でも、一時的にピルの服用を中止することがあります。
ピルの適切な服用は、効果を最大化し副作用を最小化するために非常に重要です。自分の体調や生活リズムに合わせた服用計画を立て、医師の指示に従って正しく使用しましょう。
専門家に相談すべきタイミングと症状
ピルを服用している際に、いつ医師に相談すべきか判断に迷うことがあるかもしれません。
ここでは、専門家への相談が必要なタイミングと注意すべき症状について解説します。
副作用が強い場合や長引く場合
ピル服用開始後の1〜3ヶ月間は、吐き気、頭痛、むくみなどの副作用が出ることがありますが、多くの場合は体が慣れるにつれて徐々に軽減します。
しかし、3ヶ月以上経っても副作用が続く場合や、日常生活に支障をきたすほど症状が強い場合は、医師に相談してピルの種類や用量の変更を検討する必要があります。
特に、うつ症状や気分の落ち込みが続く場合は、早めに医師に伝えることが重要です。
血栓症のリスクサインである「下肢の痛みや腫れ」「突然の息切れ」「強い頭痛」「視覚障害」などの症状が現れた場合は、緊急に医療機関を受診してください。
不正出血が続く場合
ピル服用開始後の数ヶ月間は不正出血が起こることがありますが、通常は服用を続けるうちに改善します。
しかし、3ヶ月以上経過しても不正出血が続く場合や、出血量が多い、出血パターンが変わったなどの変化がある場合は、婦人科を受診しましょう。
不正出血が続く原因として、子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどの良性疾患、あるいは子宮頸がんや子宮体がんなどの悪性疾患の可能性も考慮する必要があります。
特に、出血に加えて痛みがある場合や、通常の経血と明らかに異なる色や性状の出血がある場合は、早めに医師に相談してください。
症状の変化や心配事があれば早めに相談を
ピルを服用中に気になる症状や変化があれば、自己判断せずに医師に相談することが大切です。
インターネット上の情報だけで判断せず、専門家の意見を求めることで、適切な対応が可能になります。
また、ピルの種類を変更したい、服用スケジュールを調整したいなどの希望がある場合も、必ず医師と相談した上で行いましょう。
定期的な健康診断や婦人科検診も重要です。
ピルを服用していても、年に1回は婦人科検診を受けることをお勧めします。
自分の体調の変化に敏感になり、少しでも気になることがあれば、遠慮なく医師に相談することが、ピルを安全に使用するための鍵となります。
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ピルが生理に与える影響のまとめ
この記事では、ピルが生理に与える影響や生理をコントロールする方法について詳しく解説しました。
生理の悩みを抱える多くの女性にとって、ピルは有効な選択肢となる可能性があります。
しかし、個人差も大きく、すべての方に同じ効果があるわけではありません。
自分の体質や生活スタイル、将来の計画などを考慮し、産婦人科医と相談しながら、最適な選択をすることが大切です。
まずは婦人科を受診して、あなたに合ったピルや服用方法について専門家に相談してみましょう。