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生理中、腰が痛くて寝れない…生理痛がひどくなる原因や対処法について解説

生理

生理中の腰痛に悩まされている方は多いのではないでしょうか。

多くの女性が経験する生理痛、特に腰の痛みは睡眠を妨げることもあります。

「生理になると腰が痛くて眠れない」「毎月の生理が憂鬱」という方は、実は正しい対処法を知ることで痛みを軽減することができます。

この記事では、生理中の腰痛の原因から実践できる対処法、そして医療機関を受診すべきタイミングまで詳しく解説します。

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生理痛で腰が痛くなる原因とは?

生理痛で腰が痛くなるのには、身体の中でいくつかの仕組みが関係しています。

痛みの正体を知ることで、効果的な対処法を見つけることができます。

プロスタグランディンの分泌

生理痛の主な原因は、プロスタグランディンという物質の分泌です。

プロスタグランディンは生理中に子宮内膜から分泌され、子宮を収縮させることで経血を排出する働きをします。

この子宮の収縮が強すぎると、下腹部だけでなく腰にまで痛みが広がることがあります。

プロスタグランディンの量が多いほど、痛みも強くなる傾向があります。

血行不良と冷え

生理中は、プロスタグランディンの影響で血管が収縮し、血行が悪くなりやすい状態になります。

血行不良は筋肉の緊張を引き起こし、特に腰回りの筋肉が緊張すると腰痛につながります。

また、冷えは血行をさらに悪化させる要因となります。

特に冬場や冷房の効いた環境では、血行不良が悪化して腰痛がひどくなることがあります。

骨盤のゆがみ

日常生活での姿勢の悪さや運動不足によって骨盤がゆがむと、生理中の腰痛が悪化することがあります。

骨盤のゆがみは、腰回りの筋肉に負担をかけ、生理中の痛みをより強く感じさせる原因になります。

座った際に脚を組む習慣や、片方の手だけでバッグを持つなどの日常的な行動が骨盤のゆがみを悪化させることがあります。

骨盤がゆがんでいると、生理痛が悪化するだけでなく、他の健康問題も引き起こす可能性があります。

生理中の腰痛が重症化するサイン

生理による腰痛は一般的な症状ですが、中には医療機関での診察が必要なケースもあります。

以下のサインが見られる場合は、単なる生理痛ではなく、別の疾患が隠れている可能性があります。

日常生活に支障をきたすほどの強い痛み

生理痛は個人差がありますが、日常生活が送れないほどの痛みは正常とは言えません。

仕事や学校に行けない、ベッドから起き上がれない、痛みで集中できないなどの症状がある場合は注意が必要です。

痛みのために睡眠が妨げられたり、鎮痛剤を服用しても効果がない場合は、婦人科を受診することをおすすめします。

生理以外の時期にも現れる腰痛

生理中だけでなく、生理でない時期にも腰痛がある場合は、子宮内膜症や子宮筋腫などの疾患の可能性があります。

特に、生理前から痛みが始まり、生理が終わっても痛みが続く場合は、何らかの病気が隠れている可能性があります。

痛みのパターンに変化があったり、痛みの場所が特定できない場合も医師に相談すべきサインです。

年々悪化する症状

生理痛は年齢とともに和らぐことが多いと言われていますが、年々症状が悪化している場合は注意が必要です。

特に30代以降で生理痛が悪化する場合は、子宮内膜症や子宮腺筋症などの可能性があります。

痛みの強さや性質が変化した場合は、早めに婦人科を受診することが重要です。

生理中の腰痛で寝れない時の対処法

生理中の腰痛で眠れない夜は本当につらいものです。

ここでは、すぐに試せる効果的な対処法をご紹介します。

鎮痛剤の服用

生理痛に効果的な鎮痛剤には、市販の痛み止めが利用できます。

特に、イブプロフェンやロキソプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、プロスタグランディンの生成を抑制することで痛みを和らげる効果があります。

痛みを感じ始めた初期段階で服用すると、より効果的に痛みを抑えることができます。

用法・用量を守って食後に服用することが重要です。

腰を温める

腰の痛みには温熱療法が効果的です。

温めることで血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれて痛みが和らぎます。

特に生理中の腰痛は、冷えによる血行不良が原因になっていることが多いため、温めることで大きな効果が期待できます。

具体的な方法としては、カイロを腰に貼る、湯たんぽを使用する、温かい入浴剤を入れたお風呂にゆっくり浸かる、蒸しタオルを腰に当てる、などがあります。

寝る姿勢の工夫

生理中の腰痛を和らげるには、寝る姿勢も重要です。

正しい姿勢で寝ることで、腰への負担を減らし、痛みを軽減することができます。

特に横向きで膝を曲げた胎児姿勢は、腰への負担を軽減するのに効果的です。

下腹部を圧迫しないように注意しながら、クッションや枕を腰と膝の間に挟んで体を支えましょう。

マッサージとストレッチ

腰や骨盤周りのマッサージやストレッチは、筋肉の緊張をほぐし、血行を促進する効果があります。

特に就寝前に行うと、リラックス効果も加わり、より良い睡眠につながります。

痛みを感じる部分を優しくマッサージしたり、腰をゆっくり動かすストレッチを行うことで症状が和らぐことがあります。

おすすめの方法としては、腰を左右にゆっくりねじるストレッチ、四つん這いになって背中を丸めたり反らしたりする「猫のポーズ」、腰回りを優しくマッサージする方法、そして太ももの裏側を伸ばすストレッチなどがあります。

痛みを和らげる生活習慣の改善

生理痛を根本から改善するためには、日常的な生活習慣の見直しが効果的です。

長期的に取り組むことで、毎月の生理痛を軽減することができます。

冷えを改善する

冷え性の改善は生理痛対策の基本です。

冷えが改善されると血行が良くなり、痛みの軽減につながります。

特に下半身を温かく保つことで、骨盤内の血流が改善され、生理痛が和らぐ効果が期待できます。

日常生活の中で、温かい飲み物を選んだり、湯船にしっかり浸かるなど意識的に体を温める習慣を取り入れましょう。

食生活の見直し

バランスの良い食事は生理痛の緩和に役立ちます。

特に、抗炎症作用のある食品や、ホルモンバランスを整える栄養素を含む食品を意識的に摂ることが重要です。

生理前や生理中は、特定の栄養素を意識して摂ることで症状が軽減される場合があります。

反対に、塩分や脂肪の多い食品は水分貯留を促進し、むくみや痛みを悪化させることがあります。

生理痛を緩和させるために、EPA・DHAを含む青魚(サバ、サーモンなど)や、マグネシウムを含む食品(ナッツ類、緑黄色野菜、豆類)、カルシウムを含む食品(乳製品、小魚、豆腐)を意識的に取り入れましょう。

適度な運動習慣

定期的な運動習慣は、血行促進やストレス軽減に効果があり、生理痛の緩和につながります。

特に骨盤周りの筋肉をほぐすエクササイズやストレッチは、骨盤のゆがみを改善し、腰痛の予防にも効果的です。

生理中は無理をせず、ヨガやウォーキングなど体調に合わせた軽い運動を心がけましょう。

ストレス管理

ストレスは生理痛を悪化させる要因の一つです。

ストレスが多いと体が緊張状態になり、痛みをより強く感じやすくなります。

また、ストレスはホルモンバランスにも影響を与え、生理不順や生理痛の悪化につながることがあります。

日常的にストレスを発散する習慣を持つことで、生理痛の軽減につながります。

生理痛がひどい場合に考えられる疾患

一般的な生理痛と異なり、何らかの疾患が原因で痛みが生じていることもあります。

これらは「器質性月経困難症」と呼ばれ、適切な治療が必要です。

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が子宮の外で増殖する病気です。

通常、子宮内膜は生理のたびに体外に排出されますが、子宮外にある内膜様組織は排出されず、炎症や痛みを引き起こします。

子宮内膜症の痛みは一般的な生理痛より強く持続的で、生理以外の時期にも現れることがあります。

放置すると症状が進行し、不妊の原因になることもあるため、早期発見・早期治療が重要です。

以下のような症状が見られる場合には、医療機関への相談を検討することが重要です。

  • 激しい下腹部痛や腰痛
  • 排便時や性交時の痛み
  • 生理以外の時期にも続く痛み
  • 不妊症

子宮腺筋症

子宮腺筋症は、子宮内膜が子宮筋層内に侵入して増殖する病気です。

子宮が大きくなり、生理時に強い痛みを引き起こします。

子宮腺筋症の特徴は、生理痛の悪化と経血量の増加です。

30代以降の女性に多く見られ、子宮が大きくなることで腰痛や下腹部痛を引き起こします。

以下のような症状が見られる場合には、医療機関への相談を検討することが重要です。

  • 強い生理痛(特に腰痛)
  • 経血量の増加
  • 貧血症状

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮の筋肉層に発生する良性の腫瘍です。

筋腫の大きさや位置によって症状は異なりますが、生理痛や腰痛の原因になることがあります。

筋腫が大きくなると周囲の臓器を圧迫し、頻尿や便秘などの症状も引き起こします。

子宮筋腫は30代以降の女性に多く見られ、年齢とともに増大する傾向があります。

以下のような症状が見られる場合には、医療機関への相談を検討することが重要です。

  • 月経過多(経血量が多い)
  • 下腹部の膨満感
  • 頻尿や便秘
  • 腰痛や下腹部痛

医療機関での生理痛治療

自己対処で改善しない生理痛や、日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合は、医療機関での治療を検討しましょう。

婦人科では様々な治療法が提供されています。

婦人科を受診するタイミング

生理痛がどの程度まで正常で、いつ医師に相談すべきか判断に迷う方も多いでしょう。

早めに受診することで、病気の早期発見・早期治療につながります。

痛みは我慢するものではなく、適切に対処すべきものです。

以下のような症状がある場合は、婦人科の受診を検討してください。

  • 市販の鎮痛剤で痛みが和らがない
  • 日常生活や仕事、学校に支障が出るほどの痛み
  • 年々生理痛が悪化している
  • 生理以外の時期にも腰痛や下腹部痛がある
  • 不正出血がある

低用量ピルによる治療

低用量ピルは、生理痛の治療に非常に効果的な方法の一つです。

ピルに含まれるホルモン成分が脳に「妊娠状態」と錯覚させることで、子宮内膜の増殖を抑え、プロスタグランディンの分泌を減少させます。

その結果、子宮の収縮が抑えられ、痛みが軽減されます。

避妊効果だけでなく、生理痛やPMSの改善、経血量の減少など様々なメリットがあります。

漢方薬による治療

日本の医療現場では、漢方薬も生理痛治療の選択肢の一つとして用いられています。

体質に合わせた漢方薬を処方することで、生理痛の改善を図ります。

漢方薬は体全体のバランスを整えることを目的としているため、副作用が比較的少ないのが特徴です。

ただし、効果が現れるまでに時間がかかることが多く、継続的な服用が必要です。

生理痛には以下のような漢方が有効です。

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え症や貧血傾向のある方に
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):お腹の張りや血行不良がある方に
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):イライラや不安感を伴う方に

手術療法

子宮内膜症や子宮筋腫などの疾患が原因で強い生理痛がある場合、手術療法が選択されることもあります。

症状や病状、年齢、妊娠希望の有無などによって、適切な手術方法が選択されます。

近年は腹腔鏡手術など、身体への負担が少ない手術方法も増えています。

手術を検討する際は、医師と十分に相談した上で決断することが重要です。

生理による腰痛を乗り越えるための対処法のまとめ

生理中の腰痛は多くの女性が経験する症状ですが、適切な対処法を知ることで痛みを軽減し、より快適に過ごすことができます。

  • 生理痛の主な原因はプロスタグランディンの分泌、冷えや血行不良、骨盤のゆがみなど
  • 即効性のある対処法として、鎮痛剤の服用、温熱療法、寝る姿勢の工夫、マッサージなどがある
  • 長期的には冷え改善、バランスの良い食事、適度な運動、ストレス管理が大切
  • 痛みが強く、日常生活に支障がある場合は、子宮内膜症などの疾患の可能性があるため、婦人科受診を推奨
  • 医療機関では低用量ピル、漢方薬、場合によっては手術など、様々な治療法が提供されている

「生理だから仕方ない」と痛みを我慢するのではなく、自分に合った対処法を見つけて実践してみてください。

生理痛がひどい場合は婦人科を受診し、専門家に相談することも大切です。

あなたの生理期間がより快適になることを願っています。

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