マンジャロで何キロ痩せる?臨床データで見る期間別・用量別の目安と「思ったより痩せない」ときの対処法
「マンジャロで実際に何キロ痩せるの?」「1か月でどれくらい変わる?」——マンジャロを始める前に最も気になる疑問に、この記事では臨床試験データをもとに用量別・体重別・期間別の目安を整理し、さらに「思ったより痩せない」と感じたときの原因と対処法まで正直にお伝えします。

先に結論をお伝えすると、マンジャロの体重減少効果は用量・継続期間・開始時の体重・生活習慣によって個人差が非常に大きく、SNSで見かける「1か月で5kg減」という体験談がすべての人に当てはまるわけではありません。ただし適切な用量と生活習慣の改善を組み合わせることで、他のダイエット薬を大きく上回る減量効果が報告されていることも事実です。この記事では数字の根拠を正直に示しながら、自分の場合の現実的な期待値を設定する手助けをします。
この記事でわかること
- ✓用量別・体重別の体重減少シミュレーション
- ✓1か月・3か月・半年・1年の期間別の目安
- ✓個人差が生まれる5つの理由
- ✓「痩せない」と感じたときの使用期間別対処法
- ✓停滞期のメカニズムと効果を最大化するポイント
マンジャロで何キロ痩せるか——臨床データが示す数字
「何キロ痩せるか」の答えは、どの臨床試験のデータを見るかによって大きく変わります。日本人を対象とした試験と、海外の肥満症患者を対象とした試験では対象者の体格・健康状態が異なるため、両方を確認することが現実的な期待値設定につながります。
用量別の体重減少データ——日本人試験(SURPASS-J)と海外試験(SURMOUNT-1)
まず日本人2型糖尿病患者を対象とした国内第3相試験(SURPASS-J-mono試験)の結果を確認します。この試験は日本人にとって最も現実に近いデータです。
| 用量 | 体重減少量(平均) | 体重減少率(平均) | 試験期間 |
|---|---|---|---|
| 5mg | 約−5.8kg | 約−7% | 52週間 |
| 10mg | 約−8.5kg | 約−10% | 52週間 |
| 15mg | 約−10.7kg | 約−13% | 52週間 |
← 横にスクロールできます → ※SURPASS-J-mono試験(日本人2型糖尿病患者・52週間)の報告値。個人差があります。出典:イーライリリー社 添付文書関連資料
次に、糖尿病のない肥満成人を対象とした海外の大規模試験(SURMOUNT-1試験・72週間)のデータです。対象者の平均体重が約107kgと日本人より高いため、kg数は大きくなっていますが、体重に対する割合(減少率)が現実的な目安になります。
| 用量 | 平均体重減少率 | 試験期間 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 5mg | −15.0% | 72週間 | 非糖尿病・肥満成人 (平均体重約107kg) |
| 10mg | −19.5% | ||
| 15mg | −20.9% |
← 横にスクロールできます → ※SURMOUNT-1試験(72週間・非糖尿病の肥満成人対象・食事運動療法併用)の報告値。個人差があります。出典:N Engl J Med. 2022;387:205-216
⚠ データを読むときの注意点
上記はすべて「平均値」です。実際には同じ用量でも2%しか減らない方もいれば、30%以上減る方もいます。また、SURMOUNT-1試験の対象者は食事制限と週150分以上の運動を併用した条件での数値です。薬だけを使った場合は数値が小さくなる可能性があります。「この数値が自分に保証される」という意味ではありません。
体重60kg・70kg・80kg・90kg別のシミュレーション
「何%減少」という数字を自分の体重に当てはめると、より具体的なイメージが持ちやすくなります。SURPASS-J試験(日本人・52週間)の体重減少率をもとにした、体重別のおおよその目安です。
| 現在の体重 | 5mgの目安 (約−7%) |
10mgの目安 (約−10%) |
15mgの目安 (約−13%) |
|---|---|---|---|
| 60kg | 約−4.2kg | 約−6.0kg | 約−7.8kg |
| 70kg | 約−4.9kg | 約−7.0kg | 約−9.1kg |
| 80kg | 約−5.6kg | 約−8.0kg | 約−10.4kg |
| 90kg | 約−6.3kg | 約−9.0kg | 約−11.7kg |
← 横にスクロールできます → ※SURPASS-J試験(日本人2型糖尿病患者・52週間)の体重減少率を各体重に当てはめた概算値。実際の減少量は用量・期間・個人の状況により大きく異なります。
このシミュレーションはあくまで参考値ですが、「52週間(約1年)継続した場合に期待できる目安」として活用してください。体重が重いほど減少量(kg)は大きくなりやすい一方、開始時のBMIが低い方ほど効果が出にくい傾向があります(詳しくはH2③で解説します)。
効果が出るまでの期間——1か月・3か月・半年・1年の目安
「いつから痩せ始めるか」「どの時期にどれくらい変化するか」という期間別の見通しを持っておくことは、治療を継続するうえで非常に重要です。「まだ効いていないのでは」という不安で早期に中断してしまうのを防ぐためにも、事前に知っておきましょう。
「食欲の変化」と「体重計の数字」は別のタイムラインで動く

マンジャロを投与すると、多くの方が投与後数日〜1〜2週間以内に「食欲が落ちた」「いつもより少ない量で満足できた」という体感の変化を感じ始めます。これはGLP-1・GIPが脳の食欲中枢に作用し始めているサインです。
一方、体重計の数字に変化が出始めるのは、食欲変化から少し遅れて4〜8週間頃が一般的です。食事量が減っても体重に反映されるまでには時間差があります。「食欲は落ちたが体重計が動かない」という状況は治療初期に多くの方が経験しますが、これは薬が効いていないのではなく、体重変化が数字に現れるまでの準備段階です。
期間別・段階的な体重変化の目安
以下は複数の臨床データと医師の臨床経験をもとにした、一般的な経過の目安です。個人差が非常に大きいため、数字はあくまで参考としてご覧ください。
| 時期 | 体重変化の目安 | この時期の特徴 |
|---|---|---|
| 1か月目 | 現体重の約1〜3% (例:70kgなら0.7〜2.1kg) |
2.5mgの導入期。体を慣らす期間。 食欲変化の実感が先行する |
| 3か月目 | 現体重の約3〜7% (例:70kgなら2.1〜4.9kg) |
5mg以上に増量し効果が本格化。 体重の変化を実感しやすくなる時期 |
| 半年(6か月) | 現体重の約7〜12% (例:70kgなら4.9〜8.4kg) |
食習慣が変化し少食サイクルが定着。 洋服のサイズ変化を感じる方も多い |
| 1年(52週) | 現体重の約10〜20%以上 (用量・生活習慣による) |
SURPASS-J試験の報告値に近づく時期。 高用量・継続者で大幅な減量が報告される |
← 横にスクロールできます → ※複数の臨床データ・医師の臨床経験をもとにした参考値。個人差が非常に大きく、これらの数値を保証するものではありません。
治療効果のピーク(最も体重が減りやすい時期)は投与開始から6〜9か月頃とされることが多く、その後は体重変化がゆるやかになっていきます。「最初の3か月で思ったほど減っていない」と感じても、6か月後には大きく変化しているケースは少なくありません。短期間で判断せず、少なくとも3か月は継続することが推奨されています。
2.5mg導入期の現実——「まず慣らす期間」と理解する

マンジャロは必ず2.5mgという最低用量から開始します。この導入期(最初の4週間)は体を薬に慣れさせることが目的であり、体重を大きく減らすための用量ではありません。2.5mg期間中に「全然痩せない」「効果がない」と感じるのは自然なことであり、異常ではありません。
5mgへの増量後に「ようやく体重が動き出した」と実感する方が多く、多くのクリニックでは4週間ごとに2.5mgずつ増量しながら、副作用の程度と体重の変化を見ながら進めます。焦って自己判断で増量することは副作用リスクを高めるため、必ず医師の指示に従ってください。
ℹ 編集部メモ
「1か月で5kg以上落としたい」という目標は、2.5mg導入期では現実的ではありません。SNSで見かける「1か月で5kg減」という体験談は、高BMIの方が5mg以上の用量を使用した場合や、食事管理を徹底した場合のケースであることが多く、すべての人に当てはまるわけではありません。1か月目は「食欲の変化を確かめる時期」と割り切ることが、長続きする治療の第一歩です。
体重差が生まれる5つの理由——なぜ同じ薬で差が出るか
「同じマンジャロを使っているのに、友人は10kg減って自分は3kgしか減っていない」——こういった違いが生まれる理由には明確な要因があります。5つの主な要因を整理します。
①開始時のBMI・体重が大きいほど減量幅は出やすい

マンジャロをはじめとするGLP-1系薬剤の効果は、開始時の体重が重い(BMIが高い)方ほど減量幅(kg数)が大きくなる傾向があります。これは単純に「減らす余地が多い」という理由もありますが、高BMIの方ほど食欲調節機能の乱れが大きく、マンジャロの作用が効果的に発揮されやすいという側面もあります。
逆に、BMI20前後の標準体重に近い方はもともと過剰摂食の度合いが低く、食欲抑制効果が実感しにくいことがあります。BMI18.5に近い方(痩せ型)は体脂肪率がもともと低く、マンジャロを使用しても大きな体重変化を感じにくい場合があります。こうした方にはマンジャロが適していないこともあるため、使用前に必ず医師に相談してください。
②用量が体重減少に直結する——段階的増量の重要性

臨床データが明確に示している通り、マンジャロの体重減少効果は用量依存的です。5mgより10mg、10mgより15mgの方が減量率は大きくなります。2.5mgのまま長期間使い続けることは、本来得られる効果を発揮できない可能性があります。
一方、用量を上げるほど副作用リスクも高まるため、体の反応を確認しながら医師の判断で増量することが重要です。「効果がまだ十分でない」「食欲抑制を強く感じられない」と思う場合は、自己判断でなく医師に増量のタイミングを相談しましょう。
③食事内容・生活習慣の影響

マンジャロは食欲を抑え、食事量を自然に減らすサポートをしますが、高カロリーな食事を続けていれば効果は大幅に減少します。「食欲は抑えられているのに体重が減らない」という場合、カロリー密度の高い飲み物(甘いジュース・カフェラテ・アルコール)や、少量でもカロリーの高いお菓子が原因になっているケースが少なくありません。
また、睡眠不足は食欲を刺激するホルモン(グレリン)を増加させ、食欲を抑制するホルモン(レプチン)を減少させます。マンジャロの食欲抑制効果を弱める可能性があるため、睡眠の質・量の確保も体重減少に影響します。
④筋肉量・基礎代謝の差

マンジャロには筋肉を増やしたり、直接的に消費カロリーを増やしたりする作用はありません。もともと筋肉量が少なく基礎代謝が低い方は、食事量が減っても消費カロリーが少なく体重が減りにくい場合があります。
また、マンジャロによって体重が減少すると、体重の約25%が除脂肪量(筋肉・水分など)として減少するという臨床データがあります。筋肉量の低下を防ぐために、ウォーキングや軽い筋トレなどの運動を取り入れることが、長期的な代謝の維持に重要です。運動が難しい場合は、たんぱく質を意識的に摂取することで筋肉量の減少をある程度抑えられます。
⑤基礎疾患・ホルモンバランスの影響

甲状腺機能低下症や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、インスリン抵抗性が強い状態など、代謝やホルモンバランスに関わる疾患が隠れている場合、マンジャロを使っても思ったように体重が減らないことがあります。「生活習慣を整えているのに全く体重が動かない」という場合は、血液検査で甲状腺ホルモン・血糖・インスリン値などを確認することが有効です。
また、一部の薬剤(ステロイド・精神科薬・一部の血圧薬など)が体重増加を促進し、マンジャロの効果と拮抗することがあります。複数の薬を服用している場合は、必ず担当医に全薬剤を申告してください。
体重差が生まれる5つの要因まとめ
- ✓①開始時のBMI・体重(重いほど減量幅が出やすい)
- ✓②用量(高用量ほど効果が大きい。適切なタイミングでの増量が重要)
- ✓③食事内容・睡眠・生活習慣(高カロリー食・睡眠不足は効果を弱める)
- ✓④筋肉量・基礎代謝(低い場合は効果が出にくい。運動で補完する)
- ✓⑤基礎疾患・ホルモン・併用薬(甲状腺疾患・ステロイド等が影響する場合あり)
「思ったより痩せない」と感じたとき——使用期間別の判断フロー
「思ったより痩せない」と感じたときの対処法は、使用期間によって大きく異なります。同じ「痩せない」でも1か月未満の場合と3か月以上経過した場合では、取るべき行動がまったく違います。使用期間に応じた判断フローを整理します。
1か月未満——この時期は「変化の観察期間」
投与開始から1か月未満の時期は、まだ効果が本格的に現れる段階ではありません。特に2.5mgの導入期(最初の4週間)は体を慣らすことが主目的であり、大幅な体重変化を期待する時期ではありません。
1か月未満でやること
- ✓体重計の数字より「食欲に変化が出ているか」「間食が自然と減っているか」を観察する
- ✓副作用(吐き気・胃の不快感)の程度を記録し、次回の診察で報告する
- ✓自己判断で中断しない。最低でも4週間(1か月)継続してから効果の有無を判断する
1〜3か月——生活習慣の見直しと増量検討のタイミング
投与開始から1〜3か月が経過しても体重に変化が感じられない場合は、生活習慣の見直しと用量調整の検討が必要な時期です。
1〜3か月で確認すること
- ✓飲み物を見直す——ジュース・甘いカフェラテ・アルコールなど「食べていないのにカロリーを取っている」習慣がないか確認する
- ✓体重以外の変化に注目する——体脂肪率・ウエスト周り・洋服のサイズが変化しているなら、体重計の数字が動かなくても効果が出ている可能性がある
- ✓注射を毎週同じ曜日に打てているか確認する——打ち忘れや不規則な投与間隔は血中濃度を不安定にし、効果を弱める
- ✓増量のタイミングを医師に相談する——「2.5mgのままで3か月以上経過した」「食欲抑制が感じられない」場合は、5mg以上への増量を医師に相談する
3か月以上——停滞か適正効果かを医師と判断する
3か月以上使用して体重の変化が1か月以上まったく見られない場合は、3つのパターンが考えられます。
3か月以上で体重が動かない——3つのパターン
- ✓パターン①:停滞期(プラトー)——体がホメオスタシス(恒常性)によって省エネモードに入っている状態。生活習慣の見直しと継続で乗り越えられる場合が多い(詳しくはH2⑤で解説)
- ✓パターン②:用量不足——現在の用量で体重減少の上限に達している可能性。医師と増量を検討する
- ✓パターン③:基礎疾患・生活習慣の問題——甲状腺機能低下症・高カロリー食の継続・運動不足など、薬以外の要因が体重減少を妨げている。血液検査や生活習慣の総点検が必要
いずれのパターンでも、自己判断での増量・中断は避けてください。3か月以上使用して全く変化がない場合は、医師と一緒に原因を探りながら今後の方針を決めることが最善の対処法です。
⚠ 体重計の数字だけで判断しない
体重が減っていなくても、体脂肪率が下がっていたり、ウエスト周りが細くなっていたりする場合があります。これは脂肪が減って筋肉が増えている(または維持されている)ためで、健康的な変化の一形態です。体重計だけでなく、メジャーや体脂肪計も使って変化を多角的に確認することをお勧めします。
停滞期のメカニズムと乗り越え方
マンジャロを使って一定期間順調に体重が減っていたのに、突然体重が動かなくなる「停滞期(プラトー)」はほぼすべての方が経験します。これは薬の効果が弱まったのではなく、体が持つ生理的な防御反応です。仕組みを理解しておくことで、停滞期を冷静に乗り越えられます。
停滞期が起きる理由(ホメオスタシス)
私たちの体には「ホメオスタシス(恒常性)」という、体内の状態を一定に保とうとする仕組みが備わっています。体重が一定量減少すると、体は「飢餓状態に陥っているかもしれない」と判断し、生命を守るために省エネモードに入ります。具体的には基礎代謝を下げ、同じ食事量でもエネルギー消費を抑えるよう調整します。
この反応はマンジャロを使っていても使っていなくても起きます。特に急激な体重減少があった後に現れやすく、停滞期は一般的に2週間〜1か月程度続くことが多いとされています。停滞期中は体重計の数字が動かなくても、体の内部では脂肪燃焼や代謝の調整が続いていることがほとんどです。
ℹ 停滞期のサインを見分ける
「停滞期」と「効果が出ていない」の違いは、それまでに体重が順調に減っていたかどうかです。ある程度減量が進んだ後に2〜4週間体重が変わらない状態が「停滞期」で、これは正常な経過です。一方、使用開始当初からまったく変化がない場合は、用量・生活習慣・基礎疾患の問題が考えられます。
停滞期の乗り越え方——3つのアプローチ
停滞期を乗り越えるために有効な3つのアプローチを整理します。いずれも「急いで結果を出そうとしない」ことが前提です。
停滞期の乗り越え方
- ✓アプローチ①:食事の内容を見直す——食事量は減っていても、食事の質(カロリー密度)が戻っていないか確認する。たんぱく質の割合を増やし、糖質・脂質の過剰摂取を見直すことで代謝が改善される場合がある
- ✓アプローチ②:運動を取り入れる(または強度を上げる)——ウォーキング・軽い筋トレを日常に加えることで基礎代謝を底上げし、停滞期を突破しやすくなる。特に筋肉量を維持・増加させることが長期的な体重管理に有効
- ✓アプローチ③:医師に相談して用量調整を検討する——生活習慣に問題がなく、1か月以上停滞が続く場合は、増量のタイミングを医師と相談する。自己判断での増量は副作用リスクが高まるため必ず医師の指示のもとで行う
停滞期に最もやってはいけないのは、焦って自己判断でマンジャロを中断することです。中断すると食欲が急速に戻り、体重が元以上に増える「リバウンド」が起きるリスクがあります。停滞は治療の失敗ではなく、体が新しい体重に適応しようとしている正常な過程です。
効果を最大化する4つのポイント
マンジャロの効果を最大限に引き出すために、治療中に意識してほしい4つのポイントをまとめます。薬は「食欲を整えてくれるサポーター」であり、生活習慣の見直しと組み合わせることで初めてその真価を発揮します。
①たんぱく質を意識した食事で筋肉量を守る
マンジャロで食事量が減ると、食べ物全体が減るため、たんぱく質も不足しやすくなります。たんぱく質が不足すると筋肉量が低下し、基礎代謝が下がって痩せにくい体になってしまいます。肉・魚・卵・豆腐・納豆などのたんぱく質源を毎食意識的に摂ることで、筋肉量を維持し体重減少の効率を高めることができます。
また、たんぱく質は消化に時間がかかるため、満腹感が続きやすい特性もあります。マンジャロの食欲抑制効果とあわせて、自然に食事量をコントロールしやすくなります。
②週1回注射を同じ曜日に打つ習慣を作る
マンジャロの血中半減期は約5〜6日です。毎週同じ曜日・時間帯に注射することで血中濃度が安定し、食欲抑制の効果が一週間を通じて均一に維持されます。投与間隔が不規則になると血中濃度に波ができ、「空腹感が急に戻ってきた」という状況が生まれやすくなります。
スマートフォンのリマインダーやカレンダーに登録して打ち忘れを防ぐことが、安定した効果を維持するシンプルで効果的な方法です。副作用が気になる場合は、翌日の活動が少ない曜日(金曜夜や土曜朝など)に設定する工夫も有効です。
③体重計だけでなく体脂肪率・ウエストも計測する
体重計の数字だけを指標にしていると、停滞期に「効果がない」と誤解して治療を中断してしまうリスクがあります。体脂肪率・ウエスト周り・洋服のサイズを定期的に記録することで、体重計では見えない変化を把握できます。
特に内臓脂肪は体重計の数字より早く反応することがあり、ウエスト周りが細くなっているのに体重が変わっていない、というケースはめずらしくありません。月1回のペースでウエスト・ヒップ・太もも等を計測して記録しておくと、治療の進捗をより正確に把握できます。
④医師と相談しながら適切なタイミングで増量する
前述の通りマンジャロの効果は用量依存的です。「食欲の抑制が感じられない」「体重の変化が乏しい」と感じた場合は、自己判断で量を増やすのではなく、医師に状況を報告して増量の判断を仰いでください。増量は効果を高める一方で吐き気・下痢等の副作用も増えやすくなるため、医師と二人三脚で進めることが安全かつ効果的な減量の近道です。
効果を最大化する4つのポイントまとめ
- ✓①たんぱく質を毎食意識的に摂り、筋肉量と基礎代謝を維持する
- ✓②毎週同じ曜日・時間帯に注射し、血中濃度を安定させる
- ✓③体重計だけでなく体脂肪率・ウエスト周りを定期的に記録する
- ✓④効果が不十分なら自己判断でなく医師に増量のタイミングを相談する
よくある質問(FAQ)
マンジャロの体重変化についてよく寄せられる疑問にお答えします。
Q. 2.5mgでも痩せますか?
2.5mgはあくまで「体を慣らすための導入量」であり、体重を大きく減らすことを目的とした用量ではありません。食欲の変化を感じる方はいますが、体重への影響は限定的なことが多く、大幅な体重減少を期待するのは難しいです。4週間の導入期が終わったら5mgへの増量が一般的な流れです。もし2.5mgのままで長期間使い続けていて効果が感じられない場合は、医師に増量を相談してください。
Q. 標準体重(BMI25未満)の人でも痩せますか?
臨床試験は主にBMI27以上の過体重・肥満の方を対象としているため、標準体重や痩せ型に近い方での効果データは少ないのが現状です。BMIが低い方はもともと過剰摂食が少なく、マンジャロの食欲抑制効果が実感しにくいことがあります。BMI18.5未満(痩せ型)の方への使用は特に慎重な判断が必要です。使用前に必ず医師に相談してください。
Q. マンジャロをやめたらリバウンドしますか?
マンジャロを中止すると食欲抑制効果が徐々に失われるため、リバウンドのリスクは確かにあります。特に急に中止すると食欲が急速に戻り、体重が元に戻りやすくなります。治療中に食習慣・食事量・運動習慣を整えておくことがリバウンド防止の最大の対策です。中止を検討する場合は、医師の指導のもとで段階的に減量・中止することが推奨されます。
Q. 運動しないと効果が出ませんか?
マンジャロは運動なしでも体重減少効果が報告されていますが、運動を取り入れることで効果は明らかに高まります。特に筋力トレーニングや有酸素運動を組み合わせることで、基礎代謝の維持・筋肉量の保持・停滞期の突破がしやすくなります。激しい運動でなくても、ウォーキングを週3〜5回取り入れるだけでも十分な効果が期待できます。
まとめ
「マンジャロで何キロ痩せるか」について、臨床データと個人差の要因、期間別の目安、停滞期の対処法まで解説してきました。最後に重要なポイントを整理します。
この記事のまとめ
- ✓日本人を対象とした試験(SURPASS-J)では52週間で5mg:約−5.8kg、10mg:約−8.5kg、15mg:約−10.7kgの体重減少が報告されている
- ✓これらはすべて「平均値」。個人差が非常に大きく、この数値が全員に保証されるわけではない
- ✓「食欲の変化」は数日〜2週間で実感できることが多いが、「体重計の数字変化」はさらに4〜8週間遅れる傾向がある
- ✓2.5mg導入期(最初の4週間)は「慣らす期間」。体重変化が少なくても正常
- ✓体重差が生まれる主な要因は「開始時BMI・用量・食生活・筋肉量・基礎疾患」の5点
- ✓停滞期はほぼ全員が経験する正常な生理反応。2〜4週間続くことが多く、食事・運動・用量調整で乗り越えられる
- ✓自己判断での増量・中断は避け、変化を医師と共有しながら進めることが最も効果的かつ安全な方法
マンジャロは「注射さえ打てば自動的に痩せる薬」ではなく、食欲を整えてくれるサポーターとして、生活習慣の改善と組み合わせることで最大の効果を発揮します。「1か月で何キロ落ちるか」より「6か月後・1年後にどれだけ健康的に変化できるか」という長期的な視点で取り組むことが、マンジャロダイエットを成功させる最大のコツです。
免責事項・参考文献
※本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療の代替となるものではありません。
※掲載情報は執筆時点(2026年6月)のものです。最新情報は各公式サイトおよび担当医にご確認ください。
※マンジャロ(チルゼパチド)は日本では2型糖尿病治療薬として承認されています。ダイエット・体重管理目的での使用は適応外となり、自由診療(全額自己負担)です。また、自由診療目的での使用は医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
※効果・副作用には個人差があります。使用前に必ず医師の診察を受けてください。
参考文献
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA):マンジャロ皮下注アテオス 審査情報
- 厚生労働省:薬価基準収載品目リスト(チルゼパチド)
- マンジャロ添付文書(イーライリリー株式会社)
- Jastreboff AM, et al. Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity (SURMOUNT-1). N Engl J Med. 2022;387:205-216.
- Rosenstock J, et al. Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity in People with Type 2 Diabetes (SURMOUNT-2). Lancet. 2023.
- Araki E, et al. Tirzepatide in Japanese adults with type 2 diabetes (SURPASS-J-mono). Lancet Diabetes Endocrinol. 2022.