アフターピルとはどんな薬？効果や避妊成功のサインについて解説
「アフターピルはどんなときに使うお薬なのか」「低用量ピルとは何が違うのか」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
アフターピルは緊急で妊娠を回避したいときに服用する緊急避妊薬です。
コンドームが破れてしまった場合や、避妊をせずに性行為をしてしまった場合など、望まない妊娠のリスクがあるときに使用します。
低用量ピルのように毎日服用するお薬ではなく、緊急時に1回だけ服用して効果を発揮するお薬です。
正しく服用すれば高い避妊効果が期待できますが、100%避妊を保証するものではありません。
本記事ではアフターピルを使うシチュエーション、低用量ピルとの違い、避妊成功のサイン、入手方法について詳しく解説していきます。
アフターピルとは緊急で妊娠を回避したいときに飲む薬
アフターピルは緊急避妊薬とも呼ばれ、避妊に失敗したときや避妊をしなかった場合に妊娠を回避するために服用するお薬です。
性行為後72時間以内または120時間以内に服用することで、妊娠を防ぐ効果が期待できます。
厚生労働省の「緊急避妊法の適正使用に関する指針」では、以下のようなシチュエーションでアフターピルの使用が想定されています。
これらの状況で妊娠を望んでいない場合は、できるだけ早くアフターピルを服用することが重要です。
服用が早ければ早いほど避妊効果が高まるため、迷っている時間があれば早めに行動しましょう。
アフターピルと低用量ピルの違い
アフターピルと低用量ピルは名前が似ていますが、目的も使い方も異なるお薬です。
両者の違いを理解しておくことで、適切なお薬を選べるようになります。
低用量ピルは毎日1錠ずつ継続して服用することで避妊効果を発揮するお薬です。
一方アフターピルは緊急時に1回だけ服用して妊娠を回避するためのお薬です。
以下の表で詳しく比較してみましょう。
【アフターピルと低用量ピルの比較】
| 項目 | アフターピル | 低用量ピル |
|---|---|---|
| 目的 | 緊急避妊 | 継続的な避妊 |
| 飲み方 | 1回のみ服用 | 毎日1錠ずつ服用 |
| 避妊効果 | 約63〜99% | 約99%以上 |
| 効果発現 | 服用後すぐ | 7日以上の継続服用後 |
| ホルモン量 | 高用量 | 低用量 |
| 主な副作用 | 吐き気、頭痛、不正出血 | 吐き気、頭痛、不正出血（軽度） |
| 価格 | 約8,000円〜16,000円/回 | 約2,000円〜3,000円/月 |
| その他の効果 | なし | 生理痛軽減、PMS改善など |
低用量ピルは避妊以外にも生理痛の軽減やPMS（月経前症候群）の改善、肌荒れの改善などの効果が期待できます。
継続的な避妊を希望する場合は低用量ピルの服用を検討してみてください。
アフターピルはあくまで緊急時の避妊手段であり、継続的な避妊方法の代わりにはなりません。
アフターピルで妊娠を回避できる仕組み
アフターピルは主に排卵を遅らせたり抑制したりすることで避妊効果を発揮します。
妊娠が成立するためには排卵によって卵子が放出され、精子と出会って受精する必要があります。
アフターピルを服用すると、排卵前であれば排卵のタイミングを遅らせることで精子と卵子が出会う機会をなくすことができるのです。
精子は女性の体内で最大5日程度生存できますが、その間に排卵が起こらなければ受精は成立しません。
また子宮内膜の状態を変化させて着床しにくくする作用もあるとされています。
ただし排卵後（卵子がすでに放出された後）に服用した場合は、これらの作用による避妊効果は限定的になります。
そのためアフターピルは排卵前に服用することが最も効果的であり、服用が早ければ早いほど効果が高まるのです。
自分が排卵前なのか排卵後なのかを正確に把握することは難しいため、迷わずできるだけ早く服用することが大切です。
アフターピルの種類と避妊の効果
アフターピルには主に2つの種類があり、それぞれ有効成分や効果の持続時間が異なります。
ここでは各種類の特徴と避妊効果について解説していきます。
【避妊率の比較】
| 項目 | ノルレボ（72時間用） | エラ（120時間用） |
|---|---|---|
| 服用期限 | 性行為後72時間以内 | 性行為後120時間以内 |
| 避妊率（24時間以内） | 約99.5% | 約99.5% |
| 避妊率（48時間以内） | 約98.0% | 約98.4% |
| 避妊率（72時間以内） | 約97.0% | 約97.9% |
| 避妊率（120時間以内） | 約63.0% | 約95.0% |
| 価格相場 | 8,000円〜17,000円 | 10,000円〜16,000円 |
ノルレボ（レボノルゲストレル）
ノルレボは日本で唯一承認されている緊急避妊専用のお薬で妊娠阻止率は約99.5%と報告されています。
ただし服用が遅れるほど効果は低下し、72時間近くでは約97%程度まで下がるとされています。
ジェネリック医薬品のレボノルゲストレル錠も同等の効果があり、価格を抑えたい方に選ばれています。
エラ（ウリプリスタル）
エラは120時間（5日）以内まで有効なアフターピルです。
避妊効果は約99.5%とされており、時間経過による効果の低下が少ないのが特徴です。
BMI30以上の方でも効果が低下しにくいというメリットもあります。
日本では未承認ですが、オンライン診療などで処方してもらうことが可能です。
アフターピルの飲み方と避妊成功のサイン
アフターピルは正しく服用することで高い避妊効果が期待できます。
飲み方と避妊成功のサインについて理解しておきましょう。
飲み方
ノルレボもエラも、性行為後できるだけ早く1錠を水またはぬるま湯で服用します。
ノルレボは72時間以内、エラは120時間以内に服用する必要があります。
食前・食後どちらでも服用できますが、空腹時に服用すると吐き気が出やすいことがあるため、軽く食事をしてからの服用もおすすめです。
服用後2時間以内に吐いてしまった場合は、お薬が十分に吸収されていない可能性があるため、処方を受けたクリニックに連絡して対応を確認してください。
避妊成功のサイン
避妊成功のサインは「3週間以内に何らかの出血があるかどうか」です。
消退出血と呼ばれる出血が服用後数日〜3週間程度で見られれば、避妊が成功した可能性が高いでしょう。
消退出血がなくても通常の生理が予定通りに来れば、避妊は成功していると考えられます。
3週間以上経っても出血がない場合は、妊娠検査薬で確認することをおすすめします。
アフターピルを飲めない人と注意すべき人
アフターピルには服用できない方や、服用に注意が必要な方がいます。
事前に確認しておくことで、安全に服用できるでしょう。
服用できない方（禁忌）
以下に該当する方はアフターピルを服用できません。
注意が必要な方
以下に該当する方は服用前に医師に相談してください。
持病がある方や他のお薬を服用している方は、診察時に必ず医師に伝えてください。
アフターピルの副作用と対応方法
アフターピルを服用すると副作用が現れることがあります。
主な副作用と対応方法について解説します。
主な副作用
【副作用と対応方法】
| 副作用 | 発生頻度 | 対応方法 |
|---|---|---|
| 吐き気 | 約23% | 安静にして様子を見る、市販の吐き気止めを服用 |
| 頭痛 | 約12% | 市販の鎮痛剤を服用 |
| 下腹部痛 | 約13% | 市販の鎮痛剤を服用、温めて安静にする |
| 倦怠感 | 約10% | 安静にして休む |
| 不正出血 | 約10% | 通常は数日でおさまるため様子を見る |
| めまい | 約5% | 安静にして様子を見る |
| 乳房の張り | 約5% | 通常は数日でおさまるため様子を見る |
これらの副作用は一時的なもので、多くの場合は24時間以内におさまります。
服用後2時間以内に吐いてしまった場合は、お薬が十分に吸収されていない可能性があるため、処方を受けたクリニックに連絡してください。
副作用が1週間以上続く場合や、激しい腹痛や大量の出血がある場合は医療機関を受診することをおすすめします。
アフターピルを飲んでいると不妊に繋がる？
アフターピルを服用しても不妊には繋がりません。
アフターピルは一時的にホルモンバランスに影響を与えますが、服用後しばらくすると体内のホルモンバランスは元に戻ります。
厚生労働省の資料でも、アフターピルの服用が将来の妊娠に影響することはないとされています。
「アフターピルを飲むと妊娠しにくくなる」という噂を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、医学的な根拠はありません。
複数回服用した場合でも不妊に繋がることはないため、必要なときは躊躇せずに服用してください。
ただしアフターピルはあくまで緊急避妊のためのお薬であり、繰り返し使用するものではありません。
継続的な避妊には低用量ピルの服用を検討することをおすすめします。
アフターピルを飲んでも避妊に失敗するのはどんなとき？
アフターピルを服用しても避妊に失敗してしまうケースがあります。
以下のような状況では避妊効果が低下する可能性があるため注意が必要です。
①性行為が排卵日で、すでに受精してしまっていた
性行為のタイミングが排卵日と重なり、アフターピルを服用する前にすでに受精が成立していた場合は避妊効果が期待できません。
アフターピルは排卵を抑制することで効果を発揮するため、排卵後では効果が限定的になります。
②服用後に嘔吐してしまい、お薬が吸収されなかった
服用後2時間以内に嘔吐してしまうと、お薬が十分に吸収される前に体外に排出されてしまいます。
この場合は追加服用が必要になるため、処方を受けたクリニックに連絡してください。
③服用後に性行為をした
アフターピルの効果は服用前の性行為に対してのみ発揮されます。
服用後に無防備な性行為をした場合は新たに妊娠するリスクがあります。
④効果を下げるお薬を併用していた
以下のお薬やサプリメントはアフターピルの効果を低下させる可能性があります。
これらのお薬を服用している場合は、診察時に必ず医師に伝えてください。
アフターピルを手に入れる方法と価格
アフターピルを入手する方法は主に3つあります。
それぞれの特徴と価格を比較してみましょう。
【入手方法の比較】
| 入手方法 | 価格相場 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 産婦人科を受診 | 8,000円〜20,000円 | その場で受け取れる | 診療時間が限られる、待ち時間がある |
| オンライン診療 | 8,000円〜16,000円 | 24時間対応、自宅で完結 | 配送に時間がかかる（最短1時間〜翌日） |
| 薬局での試験販売 | 7,000円〜9,000円 | 処方箋不要 | 対象店舗が限られる、条件あり |
医療機関を受診する
産婦人科やレディースクリニックを直接受診して医師の診察を受け、処方してもらう方法です。
診察後すぐにお薬を受け取れるため、配送を待つ必要がありません。
ただし診療時間が限られており、深夜や週末は受診できないことが多いです。
オンラインクリニックで処方してもらう
スマホやPCで医師の診察を受けて、お薬を自宅に届けてもらう方法です。
24時間対応しているサービスもあり、深夜や週末でも利用できます。
バイク便を利用すれば対象エリア内で最短1時間で届けてもらえるサービスもあります。
薬局での試験販売を利用する
2023年から一部の薬局で試験販売が行われており、処方箋なしでアフターピルを購入できます。
ただし対象店舗は限られており、16歳以上が対象、16〜17歳は保護者の同伴が必要などの条件があります。
厚生労働省の「緊急避妊薬の適正販売に係る環境整備のための調査事業」のサイトで参加店舗を確認できます。
アフターピルについて不安ならオンラインクリニックがおすすめ
アフターピルについて不安なことがある場合は、手軽に相談できるオンラインクリニックの利用がおすすめです。
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「本当にアフターピルが必要なのか」「どのお薬を選べばいいのか」など、不安なことがあれば気軽に相談してみてください。
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