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ピルの種類を一覧で徹底解説!違いや選び方・適切な変更タイミングは?

記事,ピル

ピルには低用量ピルや超低用量ピル、アフターピルなどの種類があり、目的によって選び方が異なります

「どれを選べばいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか

ピルは、避妊のほかに生理痛の軽減やPMS(月経前症候群)の改善、肌トラブルの緩和など、女性の健康をサポートする役割も果たします

この記事では、ピルの種類ごとの特徴や違いを一覧でわかりやすく解説し、自分に合ったピルの選び方や、適切な変更のタイミングについて詳しくご紹介します。

ピルの服用を考えている方や、今使っているピルが合わずに変更を考えている方はぜひ参考にしてください

ピルの種類をまとめて紹介!

日本で入手可能なピルは大きく5種類に分類されます

低用量ピル

超低用量ピル

中用量ピル

黄体ホルモン薬(ミニピル)

緊急避妊薬(アフターピル)

それぞれ「ピル」と名前がついているものの、使用目的や特徴などが異なります

自分の目的や体質に応じた最適な種類を選択することが重要です。

自分の悩みによって、どのような効果を得たいのかを意識しながら見ると、自分に合ったピルを見つけやすくなりますよ

【目的別おすすめピル】

確実な避妊をしたい
→ルナベル配合錠LD、トリキュラー、マーベロン、アンジュ(低用量ピル)、セラゼッタ(ミニピル)

生理が重いため改善したい
→ルナベルULD、ヤーズ、ヤーズフレックス(超低用量ピル)、ルナベル配合錠LD、フリウェル配合錠LD(低用量ピル)

PMS(月経前症候群)を和らげたい
→ルナベルULD、フリウェル配合錠ULD、ヤーズ、ヤーズフレックス(超低用量ピル)、マーベロン、ファボワール(低用量ピル)

生理周期が不安定なので安定させたい
→トリキュラー(中用量ピル)、マーベロン、ファボワール(低用量ピル)、ヤーズ、ヤーズフレックス(超低用量ピル)

生理を遅らせたい
→プラノバール(中用量ピル)

肌トラブル(ニキビ・肌荒れなど)を改善したい
→ヤーズフレックス(超低用量ピル)、マーベロン、ファボワール(低用量ピル)

ご自身がピルを使いたいと思う目的に注目して一覧表を確認してみましょう

【ピルの種類一覧表】

分類 代表的な製品名 目的 特徴
低用量ピル ルナベル配合錠LD、フリウェル配合錠LD、トリキュラー、ラベルフィーユ、マーベロン、ファボワール、アンジュ 避妊、月経困難症・月経痛・過多月経・子宮内膜症・ニキビ・PMSの改善 2種類の女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を含む。体へのホルモン負担が比較的少ない
超低用量ピル ルナベルULD、フリウェル配合錠ULD、ヤーズ、ヤーズフレックス 月経困難症、PMSの改善 低用量ピルよりエストロゲンの含有量が少ない。避妊目的では処方されない。副作用のリスクが低く、継続しやすい
中用量ピル プラノバール 緊急避妊、月経移動 エストロゲンとプロゲステロンの含有量が多い。旅行やイベント前に生理をずらしたい時に使われる。ホルモン量が多いため長期使用には不向き。ヤッペ法では緊急避妊として使われる
黄体ホルモン薬(ミニピル) セラゼッタ、ジエノゲスト 避妊、子宮内膜症治療、月経困難症、PMSの改善 プロゲステロンのみ含有。エストロゲン過敏症の方に適している。飲む時間の厳守が必須。授乳中や血栓リスクが高い人でも使いやすい
緊急避妊薬(アフターピル) エラ、レボノルゲストレル 緊急避妊 性行為後、既定の時間内に服用。通常の避妊法の代わりにはならない

※ヤッペ法:緊急避妊法のひとつ。中用量ピル(プラノバールなど)を、性行為後72時間以内に2錠を服用し、さらに12時間後に2錠を服用する。妊娠阻止率は24時間以内の服用で77%、25-48時間以内の服用で36%とされており他の方法が使えない時の最終手段。現在では効果・安全性ともに優れているレボノルゲストレル単剤を使う方法(LNG-ECP)が第一選択となる。

自分の目的や体質などを医師に相談しながら、適したタイプを見つけましょう

使用していて副作用がつらかったり、自分に合わないと思ったりした場合には、医師に伝えて変更を検討してみるのもよいかもしれません

ピルの飲み始めであらわれやすい副作用もあるため、以下の症状が3か月以上続く場合が変更を検討する目安です。

吐き気・胃の不快感

頭痛・偏頭痛

胸の張り・痛み

むくみ

気分が落ち込む・イライラ

不正出血が続く

性欲の低下

吐き気や痛みなどの症状は、吐き気止めや痛み止めなどを服用すると緩和できることもあります

ピルと同時に処方してくれるクリニックもありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。

ニキビや肌荒れが悪化する、体重が増える、症状が改善しないなど「自分に合わない」と感じるときも、別の種類のピルに変更することで改善されることがあります

低用量ピルの種類を一覧で確認

低用量ピルは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンを含む薬剤です。

高い避妊効果と月経痛の軽減、PMS症状の改善などが期待できるため、避妊や生理トラブルの改善を目的とする多くの女性に選ばれています

低用量ピルは使用されるプロゲステロンの種類によって第一世代~第三世代に、超低用量ピルは第四世代に分けられます

世代が進むにつれて効果が向上するように改良されてきましたが、世代ごとに特徴があるため、必ずしも新しい方がよいとは限りません

副作用のリスクや目的に応じて選ぶことが重要です。

「ニキビが気になる」場合→肌荒れのリスクがある第二世代は避けて第一世代や第三世代を検討

「もともと頭痛があるから、悪化させたくない」場合→頭痛が起きやすい第一世代、第三世代ではなく第二世代のものを選ぶ

このように、目的や副作用を照らし合わせながら表を見てみると、自分に適したピルが見つけられるでしょう。

【低用量ピルの一覧表】

世代/相性 代表的なピル名 特徴 起こりやすい副作用
第一世代/一相性 ルナベル配合錠LD、フリウェル配合錠LD 生理痛・PMS・子宮内膜症などの治療目的の場合、保険適用となる。生理中の経血量軽減や、生理痛の緩和の効果が高い 頭痛、悪心、むくみ、不正出血
第二世代/三相性 トリキュラー、ラベルフィーユ、アンジュ ホルモン量が自然な変動に近く、吐き気や不正出血などの副作用が少ない。生理周期をコントロールする効果が高い 体毛の量が多くなる、体臭がきつくなる、ニキビが増える
第三世代/一相性 マーベロン、ファボワール 生理前後のニキビや肌荒れ改善の効果も期待できる 頭痛、悪心、肝機能異常

低用量ピルや超低用量ピルには「相性(そうせい)」という分類があります

ピルは1シート28日分となっており、1シートあたりのホルモン配合量によって「一相性(いっそうせい)」と「三相性(さんそうせい)」の2つの種類があります

一相性
1シートのお薬全てに同じ量のホルモンが入っている。成分が一定なので使い方がシンプルで、初めてピルを使う人にもわかりやすい。ニキビや肌荒れの改善も期待できる。

三相性
1シートのうち、1週間ごとにホルモンの量が変わる。体のホルモンバランスに近い変化をするため、副作用が少ないとされている。ピルの副作用が気になる人向け。

一相性のピルは服用方法もシンプルなため、初めてピルを使用する方にも向いています

三相性のピルは副作用に敏感な方に適しています

自分がどの効果を得たいのか、気になる副作用はないかなど、さまざまな方向から検討してみましょう

低用量ピルのジェネリック(後発医薬品)一覧

ジェネリック医薬品(後発医薬品)は先発医薬品と同じ有効成分を含む医薬品で、先発医薬品の特許期間が切れた後に製造・販売されます

代表的な低用量ピルのジェネリック医薬品は以下の通りです。

【低用量ピルのジェネリック医薬品】

ジェネリック医薬品(後発医薬品) 先発医薬品
フリウェル配合錠LD ルナベル配合錠LD
ファボワール マーベロン
ラベルフィーユ トリキュラー

ジェネリック医薬品と先発医薬品との主な違いは価格です。

ジェネリック医薬品は開発コストが抑えられるため、先発医薬品より安価に提供されます

有効成分は同じですが、添加物などが異なる場合もあるため、体質によって使用感が変わる場合があります

ジェネリック医薬品は先発品と同等の効果が期待できますが、不安がある時は医師と相談の上で選択しましょう

低用量ピルと超低用量ピルはどちらがいい?

低用量ピルと超低用量ピルのどちらが適しているかは、個人の体質や目的によって異なります

【低用量ピルがおすすめなケース】
避妊がメインの目的(安定したホルモン量で高い避妊効果)
PMSや生理痛が気になるが、特に病気の診断はない
新しいピルを試すより、実績があるものを使いたい

【超低用量ピルがおすすめなケース】
PMS・月経困難症がつらく、治療目的で飲みたい(保険適用になることも)
低用量ピルで副作用(吐き気・むくみ)が強く出たことがある
血栓症リスクをより低くしたい(喫煙者・家族に血栓症の人がいる場合など)

避妊を主な目的とするなら、実績も多く安定した効果を期待できる低用量ピルがおすすめです。

ただし、超低用量ピルに比べるとホルモン量が多いため、頭痛や吐き気などの副作用を感じやすい場合があります

PMSや生理痛の治療を優先したい場合や副作用が気になる場合は超低用量ピルの方が適しています

超低用量ピルは避妊効果を検証する試験が実施されていないため、避妊目的での使用はできません

避妊が目的でない場合は、低用量ピルを試してから、体に合わない場合に超低用量ピルへ変更してみるのもよいでしょう。

トリキュラーとマーベロンどちらがいい?

自然な月経周期に近いホルモン変化を求めるならトリキュラーが、肌トラブルに悩む方や飲み忘れしやすい方はマーベロンが向いているでしょう。

【トリキュラーとマーベロンの比較】

比較項目 トリキュラー マーベロン
ホルモン配合 3相性なので1シートの中で成分量が3段階ある 1相性なのでどの錠剤も成分が同じ
飲み忘れや間違った場合の影響 飲み忘れた日によっては避妊効果が低下しやすい。間違った順番で飲むとホルモンバランスが崩れるため飲み忘れの影響を受けやすい 翌日気づいて飲んでも影響が少ない
特徴 吐き気や不正出血などの副作用が少ない エストロゲン量が少なく肌荒れ改善に向いている

トリキュラーとマーベロンは共に低用量ピルですが、ホルモンの配合パターンが異なります

トリキュラーは三相性のピルで、1シート内でホルモン量が3段階あります

自然な月経周期に近いホルモン変動を再現するため副作用が比較的少ないピルです。

服用順序を間違えたり飲み忘れたりしないよう、毎回確認することが大切です。

マーベロンは一相性のピルで、1シート内の全ての錠剤が同じホルモン量です。

服用が簡単で、ニキビなどの肌トラブル改善効果が高い傾向にあります

どちらがよいかは個人の体質や目的によって異なりますので、医師と相談して総合的に判断してもらうことをおすすめします

低用量ピルは性行為後いつから使えばいい?

避妊目的で低用量ピルを使用する場合、性行為後ではなく性行為の前から服用を開始する必要があります

性行為後から低用量ピルの服用を始めても、避妊効果は期待できません

低用量ピルは通常、月経開始日から5日以内の服用が推奨されています

月経初日から飲み始めると、飲み始めた日から避妊効果が得られます

月経初日は自然にピルのホルモン環境に適応しやすくなり、排卵を抑制する作用が即座にはたらくためです。

もし性行為後の避妊が必要な場合は、低用量ピルではなく緊急避妊薬(アフターピル)を服用することが推奨されます

アフターピルは性行為後、最長でも120時間以内に服用しなければ適切な避妊効果が得られないため、できるだけ早い行動が重要です。

アフターピルは通常の避妊法の代替にはなりませんので、継続的な避妊が必要な場合は医師に相談して適切な避妊法を選びましょう

低用量ピルで避妊効果がないものは存在する?

低用量ピルは全て避妊効果を持っています

正しく服用されなかった場合や特定のお薬との併用、嘔吐や下痢などの体調不良によって、じゅうぶんな避妊効果を得られない場合があります

【低用量ピルの避妊効果が発揮されにくくなるケース】

2日以上飲み忘れる
避妊効果が落ちるため、実薬を7日連続で内服するまではコンドームの併用か性行為を避ける必要がある

飲む時間がバラバラ
ピルは毎日同じ時間に飲むのが基本。12時間以上遅れると効果が低下することがある。

嘔吐・下痢があった
ピル服用2時間以内に嘔吐・下痢すると、お薬が吸収されず避妊効果が落ちる。医師に確認の上追加で1錠飲むか、コンドームを併用する。

他のお薬との飲み合わせ
抗生物質(リファンピシンなど)や抗てんかん薬、セントジョーンズワート(ハーブ)はピルの効果を弱めることがある。服用中のお薬がある場合は医師に相談する。

初めて飲み始めて最初の7日間
初めてピルを飲み始めたばかりの時は、体がホルモンに慣れるまで時間がかかるため、最初の7日間は避妊効果が十分でない可能性あり。この期間はコンドームを併用する。

低用量ピルを正しい方法で服用した場合、99%以上が妊娠を防げるといわれています

さらに避妊の成功率を上げるには「ピルの正しい服用+コンドーム併用」がベストです。

超低用量ピルの種類を一覧で確認|成分・効果・特徴を比較

超低用量ピルは低用量ピルよりもさらにエストロゲンの含有量が少なく、副作用が少ないことが特徴です。

月経困難症や子宮内膜症の治療薬として承認されており、保険適用があります

成分的には一定の避妊効果があるものの、避妊目的での使用はできません

超低用量ピルは日本国内での避妊に関する臨床試験などが行われておらず、避妊効果が承認されていないことが理由です。

避妊が目的であれば、避妊効果が実証されているほかのピルを選びましょう

主な超低用量ピルには以下の製品があり、成分や飲み方が異なります

【超低用量ピルの一覧表】

項目 ルナベルULD ヤーズ ヤーズフレックス
ジェネリック フリウェルULD ドロエチ配合錠
エストロゲン含有量 0.015mg 0.02mg
黄体ホルモンの種類 ノルエチステロン(NET) ドロスピレノン(DRSP)
適応症 月経困難症 月経困難症 月経困難症、子宮内膜症
飲み方 21日服用+7日休薬 24日服用+4日休薬 120日まで連続服用可(休薬は連続4日間まで)
特徴 血栓リスクや副作用(吐き気・頭痛など)が低い 利尿作用があり、むくみが起こりにくい。ニキビができにくい

ヤーズとヤーズフレックスは同じ成分ですが、シートのタイプや飲み方が異なります

ヤーズは1シート28錠のうち24錠が実薬、残り4錠が偽薬(プラセボ)ですが、ヤーズフレックスは1シート28錠全てが実薬です。

ヤーズフレックスは連続服用が可能で、休薬期間を挟まずに最大120日間服用でき、生理を年3~4回に減らせるというメリットもあります

超低用量ピルのデメリットは、エストロゲン含有量が少ないため1日でも飲み忘れると避妊効果が低下しやすい点や、体が慣れるまで不正出血が起きやすい点です。

飲み忘れを防ぐために、毎日同じ時間に服用する習慣をつけることが大切です。

スマホのアラームを設定する、歯磨きや朝食とセットにするなど工夫するとよいでしょう。

不正出血が起こっても、最初の数か月は様子を見るのが一般的です

長期間続く場合や出血量が多い場合は医師に相談をしましょう

黄体ホルモン薬(ミニピル)の種類を一覧で確認

黄体ホルモン薬(ミニピル)は、プロゲステロンのみを含む避妊薬です。

エストロゲンを含まないため血栓リスクが低く副作用も少ない点や、服用を中止すると速やかに妊娠可能な状態に戻る点がメリットです。

エストロゲンに過敏な方や、エストロゲンの使用に制限がある方(乳がん既往歴、血栓症リスクがある方、授乳中の方など)にも適しています

エストロゲンが含まれていないためホルモンバランスが安定しにくく、不正出血しやすい点がデメリットです。

ミニピルには、セラゼッタやジエノゲストといった種類があります

【黄体ホルモン薬(ミニピル)の一覧表】

項目 セラゼッタ ジエノゲスト
有効成分 デソゲストレル(プロゲステロン) ジエノゲスト(プロゲステロン)
主な用途 避妊 月経困難症・子宮内膜症の治療
服用方法 毎日同じ時間に服用(3時間以上ずれるのはNG) 1日2回(朝・夜)服用
避妊効果 海外では避妊用ピルとして承認(日本では未承認) 避妊目的のお薬ではないが、妊娠しにくくなる
副作用 不正出血、頭痛、乳房痛など 不正出血、頭痛、体重増加、無月経など
国内承認 日本では未承認 日本で承認

セラゼッタは日本では未承認ですが、海外では承認されており多くの国で一般的に使われています

毎日同じ時間(±3時間以内)に服用することが非常に重要で、服用時間がずれると避妊効果が低下する可能性があります

「低用量ピルは血栓リスクや副作用が気になる」という方や、授乳中の方はミニピルを検討してみましょう

緊急避妊薬(アフターピル)の種類を一覧で確認

緊急避妊薬(アフターピル)は、避妊せずに性行為をした場合や、コンドームが破れたりピルの服用を忘れたりして避妊に失敗した場合に使用する緊急避妊手段です。

性行為後できるだけ早く服用することで、妊娠を防ぐ効果があります

緊急避妊薬は1回の性行為に対して1回のみ服用するもので、継続的な避妊方法としては用いられません

また、すでに妊娠している場合は効果がなく、流産を起こすものではありません

主な緊急避妊薬は以下の通りですが、効果や服用タイミングが異なります

【緊急避妊薬(アフターピル)の一覧表】

項目 エラ レボノルゲストレル
有効成分 ウリプリスタル酢酸エステル(UPA)30mg レボノルゲストレル(LNG)1.5mg
作用機序 排卵を強力に遅らせる 排卵を抑制し遅らせる
服用可能な時間 性交後120時間以内(5日以内) 性交後72時間以内(3日以内)
避妊効果 レボノルゲストレルより高い。特に排卵直前の効果が強い 排卵直前では効果が落ちる
次の妊娠への影響 なし(すぐに妊娠可能) なし(すぐに妊娠可能)
副作用 頭痛、吐き気、倦怠感、不正出血など 頭痛、吐き気、倦怠感、不正出血など
国内承認 未承認 承認あり

服用のタイムリミットはエラの方が長く避妊効果もより高いため、特にお薬がすぐ手に届きにくい状況の方は第一選択肢として考えるとよいでしょう。

ただしエラは欧米などで広く使用されているものの、日本では臨床データが十分ではなく承認がされていません

そのため重大な副作用が起きても国からのサポートが受けにくい可能性があります

もしお薬がスムーズに手に入りやすい状況であれば、レボノルゲストレルを選択するとより安心感が得られるかもしれません

アフターピルは性行為後からできるだけ早い服用が重要です。

近くに取り扱いがない場合や他の人に知られたくないという人は、オンラインクリニックを受診するという選択肢もあります

中身がピルだとわかりにくい梱包や、地域によってはバイク便で当日手元に届くといったサービスを提供しているオンラインクリニックもありますので、検討してみましょう

服用後に次の月経が予定より1週間以上遅れる場合は妊娠の可能性を考え、医療機関の受診をおすすめします

普通のピル(低用量ピルなど)とアフターピルの違いは?

低用量ピルなどの普通のピルとアフターピル(緊急避妊薬)では、服用目的や服用タイミング、効果があらわれる仕組みに大きな違いがあります

低用量ピルや超低用量ピルは、毎日定期的に服用することで避妊効果を発揮します

排卵を抑制し、子宮頸管粘液を変化させることで精子の侵入を防ぎ、子宮内膜を薄くして受精卵の着床を防ぐという複数のメカニズムがはたらくためです。

月経痛やPMSの緩和、ニキビの改善など、避妊以外の効果も期待できます

一方、アフターピルは避妊に失敗した後の緊急措置です。

主に排卵を遅らせたり阻害したりして妊娠を防ぎます

通常、性行為後72時間以内(製剤によっては120時間以内)に1回だけ服用します

アフターピルは緊急避妊の手段であり、通常の避妊法の代替にはなりません

頻繁に使用すると月経不順などの副作用が出やすくなりますので、継続的な避妊が必要な場合は医師に相談して適切な避妊法を選ぶことが重要です。

自分の体に合わない場合の適切なピルの変更タイミングは?

ピルを服用していて副作用や体調不良が続く場合は、医師に相談してピルの種類の変更も検討しましょう

その際、ピル変更の適切なタイミングについて理解しておくことが重要です。

ピルの変更に最適なタイミングは、通常1シート(21錠または28錠)を服用し終えた後です。

途中で変更すると、ホルモンバランスが乱れ不正出血などの症状が起こりやすくなります

深刻な副作用(強い頭痛、視覚障害、息切れ、胸痛、下肢の痛みや腫れなど)があらわれた場合は血栓症などの重篤な合併症の可能性があります

軽度の副作用(吐き気、頭痛、不正出血など)の場合は、3シート(3か月)程度様子を見ることが一般的です。

多くの副作用は服用を続けるうちに落ち着くことが多いためです。

ピルの種類を変更する際や深刻な副作用が出た場合は、必ず医師の指示に従いましょう

自己判断での中止や変更は避妊効果の低下や体調不良の原因になります

目的別に選ぶおすすめのピル

ピルは避妊目的だけでなく、さまざまな女性特有の悩みに対応するために処方されることがあります

目的に応じた適切なピルの選択が重要です。

【目的別おすすめピル】

目的 おすすめのピル
避妊を確実にしたい 低用量ピル(毎日服用で高い避妊効果)
生理痛やPMSを軽減したい 低用量or超低用量ピル(ホルモンバランスを整える)
血栓リスクがある・エストロゲンが使えない ミニピル(黄体ホルモン単剤で血栓リスクが低い)
旅行・イベントで生理をずらしたい 中用量ピル(一時的に生理を調整できる)
避妊に失敗した時の緊急避妊 アフターピル(既定の時間内に服用で高い避妊効果を発揮)

※表はあくまでも目安です。

また生理に関連して、「生理前になるとイライラや気分の落ち込みがつらい…。PMSに効くピルはあるの?」

「ニキビがなかなか治らない…。ピルで改善できるって聞いたけど、どれがいいのかわからない」

といった悩みを抱えている方もいるでしょう。

ここからは、避妊・PMS改善・生理痛の軽減・ニキビ治療など、それぞれの悩みに適したピルの種類について詳しく解説します

自分に合ったピルを見つけて、快適な毎日を手に入れましょう

避妊目的の低用量ピルのおすすめは?

避妊を主目的とする場合は、避妊効果の高さ・副作用の少なさのバランスが取れた低用量ピルがおすすめです。

自分の求めるメリットを重視すると、選びやすくなります

ピル初心者で、飲み忘れの心配がある方→「マーベロン」「ファボワール」

体のリズムに近い自然な変化を求める方→「トリキュラー」「ラベルフィーユ」

副作用や不正出血が心配な方や授乳中の方→「セラゼッタ」

価格を抑えたい→「ファボワール」「ラベルフィーユ」などのジェネリック医薬品

避妊効果を最大限に発揮するためには、服用時間を厳守し、飲み忘れに注意することが大切です。

特に超低用量ピルは服用時間のずれに敏感ですので、毎日同じ時間に服用する習慣をつけましょう

PMS(月経前症候群)に効くピルの種類は?

PMS(月経前症候群)の症状改善には、超低用量ピル「ヤーズ」「ヤーズフレックス」が向いています

PMS症状を緩和しやすい「ドロスピレノン」というプロゲステロンの種類を含むためです。

ヤーズ、ドロエチ配合錠:ドロスピレノンには利尿作用と抗アンドロゲン作用があり、むくみや肌荒れなどのPMS症状の緩和に効果的です。

ヤーズフレックス:ヤーズと同様のドロスピレノンを含み、休薬期間も短いためホルモン変動によるPMS症状が出にくい傾向があります。

PMSの緩和に加え、避妊目的でも使いたい人は「マーベロン」や「トリキュラー」などの低用量ピルが適しているでしょう。

PMSの症状は個人差が大きいため、医師と相談しながら自分に合ったピルを選ぶことが重要です。

効果があらわれるまでには3〜6か月かかる場合もありますので、焦らず継続することが大切です。

月経困難症を改善するにはどのピルが最適?

月経困難症(生理痛)の改善には、子宮内膜の増殖を抑制し月経量を減少させる効果のあるピルが適しています

月経困難症に適応のピルの中でも、どこを重視したいかによっておすすめ薬剤が異なります

生理痛をしっかり抑えたい→「ヤーズ」「ドロエチ配合錠」「ルナベルULD」

生理自体を減らしたい→「ヤーズフレックス」

副作用を最小限に抑えたい→「ルナベルULD」「フリウェルULD」

PMSや肌荒れも改善したい→「ヤーズ」「ドロエチ配合錠」「マーベロン」「ファボワール」

月経困難症の痛みや不快感は、日常生活に支障をきたすほどのつらさを伴います

頭痛や腰痛、吐き気、倦怠感なども併発することがあり、身体的な負担だけでなく精神的にも大きな影響を与えることも

自分の症状に合ったピルを選ぶことでつらさを軽減し、穏やかに過ごせるようになるでしょう。

ニキビを改善するにはどのピルが最適?

ニキビの改善におすすめなのは、抗アンドロゲン作用を持つピルです。

男性ホルモンであるアンドロゲンの過剰分泌はニキビの原因となるため、これを抑制する作用のあるピルを選びましょう

ホルモンバランスを整えてニキビを改善したい→「ヤーズ」「ドロエチ配合錠」「アンジュ」

軽いニキビや生理前のニキビが気になる→「マーベロン」「ファボワール」

ニキビに加え、生理痛やPMSの症状も気になる場合→「ヤーズ」「ドロエチ配合錠」

ニキビはホルモンバランスの乱れが原因で悪化することが多く、特に生理前や思春期などホルモンの変動が激しい時期に増えることがあります

ニキビを改善するピルは、ホルモンのバランスを整えることによって、皮脂の分泌を調整し炎症を抑える効果があります

自分の肌の状態やニキビが出るタイミングに合わせて最適なピルを選ぶことで、ニキビの予防や改善が期待できるでしょう。

ピルの服用や変更に関するQ&A

ピルの服用方法や変更に関して、さまざまな疑問や不安を持つ方も多いのではないでしょうか

ここではよくある疑問点についてお答えしていきます

ピルの種類を途中から変えても避妊効果は持続する?

ピルの種類を変更する際、適切な方法で変更すれば避妊効果は持続しますが、変更方法によっては一時的に低下する可能性があるため注意が必要です。

最も安全な変更方法は、現在のピルを1シート分服用し終えた後、休薬期間を経て新しいピルを開始することです。

この場合、避妊効果は途切れません

低用量ピルから超低用量ピルへの変更では、基本的に避妊効果は維持されますが、服用方法に違いがある場合は医師の指示に従いましょう

ピルからミニピル(黄体ホルモン薬)への変更、またはその逆の場合は、一時的に避妊効果が得られない可能性があります

変更期間中は別の避妊法を併用することが推奨されます

いずれの場合も、必ず医師の指示に従って変更することが重要です。自己判断での変更は避けましょう

ピルの種類を変えるベストなタイミングは?

ピルの種類を変更するベストなタイミングは、現在服用しているピルの1シートを服用し終えた後、次の月経(消退出血)が始まる頃です。

一般的には、現在のピルを最後まで服用し、7日間の休薬期間(28錠タイプの場合は偽薬期間)を経た後、新しいピルを開始することが推奨されます

このタイミングであれば、避妊効果を保ったまま移行できます

副作用が強く出ている場合など、すぐに変更したい場合でも、1シートの途中で中止すると不正出血などのリスクが高まるため、可能であれば1シートを服用し終えることがおすすめです。

どうしても途中で変更する必要がある場合は医師に相談し、指示に従いましょう

場合によっては、一時的に別の避妊法を併用する必要があります

ピルの種類ごとに出血量は変わる?

ピルの種類によって月経(消退出血)の量や期間は変わる場合があります

超低用量ピル:低用量ピルに比べて出血量が少ない傾向

ヤーズフレックス:休薬期間が短いピルは、出血期間も短くなる傾向

黄体ホルモン薬(ミニピル):不正出血が起こりやすく使用初期は特に出血パターンが不規則になることがあるため、数か月は様子を見る

緊急避妊薬(アフターピル):服用後ホルモンバランスが急激に変化するため、不正出血が起こることがある。次の月経も通常より早まったり遅れたりする可能性あり

どのピルでも服用開始から3か月程度は体がピルに慣れる期間であり、出血パターンが安定しないケースがあります

継続して服用することで次第に安定してきますが、異常と思われる出血がある場合は医師に相談しましょう

今まで使っていたピル(後発品)と製造会社が違うものを渡されたが問題ない?

基本的には、同じ有効成分を含む後発品であれば製造会社が異なっても問題ありません

処方されたピルが以前と異なる製造会社のものでも、薬剤名(フリウェル配合錠LDなど)と用量が同じであれば、基本的な効果や服用方法は変わりません

パッケージデザインや錠剤の色・形は異なる場合があります

後発品(ジェネリック医薬品)は同じ有効成分を同じ量含む医薬品ですが、添加物が異なる場合があるのです

大半の方は違いを感じることなく服用できますが、稀に添加物に対してアレルギー反応を示す方もいます

ピルは毎日服用するお薬であるため、自分の体に合ったものを選ぶことが大切です。

製造会社が変わったことで不安を感じるようであれば、元の製品を希望する旨を医師に相談してみましょう

記事,ピル

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