アフターピルを飲んだのに妊娠する確率や理由は?消退出血がこないときはどうする?
「アフターピルを飲んだのに妊娠することはあるの?」「消退出血が来なくて不安」と心配になっている方も多いのではないでしょうか。
アフターピルは高い避妊効果が期待できるお薬ですが、正しく服用しても100%避妊できるわけではありません。
服用のタイミングが遅れた場合や、服用後に嘔吐してしまった場合などは避妊効果が低下することがあります。
また消退出血が来ないからといって避妊に失敗したとは限らず、出血がなくても避妊が成功しているケースも珍しくありません。
本記事ではアフターピルを飲んでも妊娠する確率や原因、消退出血が来ないときの対処法について詳しく解説していきます。
アフターピルを服用した後に不安を感じている方はぜひ参考にしてください。
アフターピルを飲んだのに妊娠する確率は?
アフターピルを正しく服用しても妊娠してしまう確率はゼロではありません。
アフターピルにはいくつかの種類があり、それぞれ避妊成功率が異なります。
現在主流となっているのはレボノルゲストレル法とウリプリスタール法の2種類で、かつて使用されていたヤッペ法は避妊成功率が低いためあまり使用されなくなっています。
どのアフターピルを選んでも100%避妊を保証するものではないことを理解しておきましょう。
【アフターピルの種類と妊娠する確率】
| 種類 | 有効成分 | 服用期限 | 避妊率 | 妊娠する確率 |
|---|---|---|---|---|
| レボノルゲストレル法(ノルレボ等) | レボノルゲストレル | 72時間以内 | 24h:約99.5%→72h:約97.0% | 約5〜42% |
| ウリプリスタール法(エラ) | ウリプリスタル酢酸エステル | 120時間以内 | 24h:約99.5%→72h:約97.9% | 約3%以下 |
| ヤッペ法(プラノバール) | 卵胞ホルモン+黄体ホルモン | 72時間以内 | 約57% | 約43% |
レボノルゲストレル法は服用が遅れるほど避妊成功率が低下するため、できるだけ早く服用することが重要です。
ウリプリスタール法(エラ)は120時間以内であれば約95%以上の避妊成功率を維持できるため、確実性を求める方におすすめです。
アフターピルの避妊成功サインとは
アフターピルの避妊成功サインは「何らかの出血があるかどうか」です。
アフターピル服用後に見られる出血は消退出血と呼ばれ、子宮内膜が剥がれ落ちることで起こります。
避妊が成功した場合、妊娠が成立しなかったことで子宮内膜が不要になり、出血として排出されるのです。
消退出血は服用後数日〜3週間程度で見られることが多いとされています。
ただし消退出血が起こらず、そのまま通常の生理が来る方もいます。
消退出血がなくても生理が予定通りに来れば避妊は成功していると考えられるでしょう。
出血の有無だけで判断が難しい場合は、性行為から3週間以上経過した後に妊娠検査薬で確認することをおすすめします。
アフターピルを飲んでも妊娠する原因は?
アフターピルを服用しても避妊に失敗してしまう原因はいくつかあります。
原因を理解しておくことで、同じ失敗を防ぐことができるでしょう。
ここではよくある失敗の原因について解説していきます。
排卵期に近い時期に性行為をしていた
避妊に失敗した日が排卵日と近く、アフターピルを服用するまでに精子と卵子が受精してしまった場合は避妊効果が期待できません。
アフターピルの主な作用は排卵を遅らせたり抑制したりすることです。
すでに排卵が起こって受精が成立してしまった後では、この作用による効果は発揮されません。
精子は女性の体内で最大5日程度生存できるため、排卵日の数日前に性行為をした場合でも受精が成立する可能性があります。
排卵期に近い時期に避妊に失敗した場合は、できるだけ早くアフターピルを服用することが重要です。
自分の排卵日を正確に把握することは難しいため、迷っている時間があれば早めに服用することをおすすめします。
アフターピルを飲む時期が遅かった
アフターピルは時間経過とともに避妊効果が低下していくため、服用が遅れると避妊に失敗する可能性が高まります。
72時間用のレボノルゲストレル法は24時間以内の服用で約99.5%の避妊率ですが、72時間近くになると約97.0%まで低下してしまいます。
「まだ時間があるから大丈夫」と油断していると、気づいたときには効果が大幅に低下していることがあるのです。
120時間用のエラは時間経過による効果の低下が少ないですが、それでも早く服用するほど効果は高くなります。
オンライン診療を利用する場合は配送時間も考慮して、できるだけ早く診察を受けることが大切です。
時間に不安がある場合は120時間用のエラを選んでおくと安心でしょう。
アフターピルを飲んでから2時間以内に嘔吐した
服用後2時間以内に嘔吐してしまうと、お薬が十分に吸収されず避妊効果が発揮されない可能性があります。
アフターピルは服用後約2時間で腸から吸収されて血中濃度がピークに達するとされています。
この時間内に吐いてしまうとお薬の成分が体外に排出されてしまい、効果が得られません。
アフターピルの副作用として吐き気が出ることがあり、我慢できずに吐いてしまう方もいます。
2時間以内に嘔吐した場合は1回分を追加服用する必要があるため、処方を受けたクリニックに連絡して対応を確認してください。
吐き気が心配な場合は事前に吐き気止めを処方してもらうことで防げる場合があります。
アフターピルと飲み合わせの悪いお薬を飲んでいた
他のお薬やサプリメントとの飲み合わせによってアフターピルの効果が薄れることがあります。
特に注意が必要なのは以下のお薬やサプリメントです。
抗てんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタールなど)
抗結核薬(リファンピシン、リファブチンなど)
HIV治療薬(リトナビル、エファビレンツなど)
セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)を含むサプリメント
これらのお薬やサプリメントは肝臓の代謝酵素を誘導する作用があり、アフターピルの代謝を早めてしまう可能性があります。
血中濃度が十分に上がらず、避妊効果が低下してしまう恐れがあるのです。
普段から他のお薬やサプリメントを服用している場合は、診察時に必ず医師に伝えてください。
アフターピル服用後に性交していた
アフターピル服用後に避妊なしで性行為をすると、新たに妊娠してしまう可能性があります。
アフターピルの効果は服用前に行った性行為に対してのみ発揮され、服用後の性行為には効果がありません。
また服用後は排卵のタイミングが予測しにくくなっており、アフターピルによって遅らせた排卵期と重なってしまう可能性があります。
「アフターピルを飲んだから大丈夫」と思って無防備に性行為をするのは危険です。
消退出血もしくは生理が来て避妊に成功したと確信が持てるまでは性行為を控えることをおすすめします。
どうしても性行為をする場合は必ずコンドームなどの避妊具を使用してください。
避妊成功率の低いアフターピルを飲んでいた
ヤッペ法(プラノバール)は他のアフターピルに比べて避妊成功率が低いです。
ヤッペ法の避妊成功率は約57%程度とされており、レボノルゲストレル法やウリプリスタール法と比較すると大幅に低くなります。
また卵胞ホルモンを含むため副作用も出やすく、現在は第一選択として推奨されていません。
価格が安いというメリットはありますが、避妊効果を重視するならレボノルゲストレル法またはウリプリスタール法を選ぶべきでしょう。
確実性を求めるなら120時間用のエラがおすすめです。
クリニックによって取り扱っているアフターピルの種類が異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
アフターピルを飲んでいて避妊に失敗した事例
実際にアフターピルを服用しても避妊に失敗してしまった事例を紹介します。
失敗談から学ぶことで、同じ失敗を避けることができるでしょう。
事例1:服用が遅れてしまったケース
「土曜の夜に避妊に失敗して、月曜日にやっと産婦人科を受診しました。すでに48時間以上経過していて、医師からは効果が低下していると説明されました。結局妊娠してしまい、もっと早く行動すればよかったと後悔しています」
週末で産婦人科が休診だったことが服用の遅れにつながっています。
オンライン診療なら土日でも24時間対応しているサービスがあるため、週末でもすぐに処方を受けられます。
事例2:服用後に吐いてしまったケース
「アフターピルを飲んだ後、1時間くらいで気持ち悪くなって吐いてしまいました。クリニックに連絡したら再度服用が必要と言われましたが、追加料金が払えずそのままにしてしまいました。その後妊娠検査薬で陽性が出ました」
服用後2時間以内に吐いてしまうとお薬が吸収されていない可能性があります。
追加服用が必要な場合はためらわずに対応することが大切です。
事例3:服用後に性行為をしてしまったケース
「アフターピルを飲んだから大丈夫だと思って、その後また避妊なしで性行為をしてしまいました。アフターピルは飲んだ後の性行為には効かないと知らなかったんです。結局2回目の性行為で妊娠してしまったようです」
アフターピルの効果は服用前の性行為に対してのみ発揮されます。
服用後も避妊具を使用するか、性行為を控えることが重要です。
アフターピルの正しい飲み方と服用後の過ごし方
アフターピルは避妊失敗後できるだけ早く服用することが最も重要です。
72時間用は72時間以内に、120時間用は120時間以内に1錠を水またはぬるま湯で服用します。
服用後2時間以内に嘔吐してしまった場合は追加で1錠服用する必要があるため、処方を受けたクリニックに連絡してください。
吐き気、頭痛、めまい、胸の張り、下腹部痛などの副作用が現れることがありますが、多くの場合は24時間以内におさまります。
服用後は基本的に普段通りの生活を送って問題ありませんが、飲酒は24時間程度控えることをおすすめします。
避妊成功のサインといえる消退出血もしくは生理が来るまでは性行為を避けるか、必ず避妊具を使用してください。
不安な場合は性行為から3週間以上経過した後に妊娠検査薬で確認することをおすすめします。
アフターピルを飲んだのに消退出血がこない理由と対策
消退出血が来ないからといって避妊に失敗したとは限りません。
約50%の方は消退出血がないまま通常の生理が来るとされています。
消退出血がなくても生理が予定通りに来れば避妊は成功していると考えて問題ありません。
消退出血が起こるかどうかは個人差が大きく、排卵前に服用した場合や体質的に出血が起こりにくい方もいます。
出血がなくても過度に心配する必要はありませんが、不安な場合は妊娠検査薬で確認するとよいでしょう。
消退出血がないまま生理が来ることも
排卵後にアフターピルを服用した場合は、消退出血と生理が一度に来て「消退出血がないまま生理が来た」と感じる方も多いです。
排卵後は子宮内膜がすでに厚くなっているため、アフターピルの影響で剥がれ落ちる出血と生理による出血が区別しにくくなります。
消退出血と生理の違いを表で確認してみましょう。
【消退出血と生理の違い】
| 項目 | 消退出血 | 生理 |
|---|---|---|
| タイミング | 服用後数日〜3週間 | 生理予定日前後 |
| 出血量 | 少ない〜中程度 | 個人差あり(いつもと同程度) |
| 期間 | 2〜3日程度 | 3〜7日程度 |
| 原因 | アフターピルの影響 | 通常の生理周期 |
いずれにしても出血があれば避妊が成功した可能性が高いと考えられます。
出血のタイミングや量だけで判断が難しい場合は、妊娠検査薬で確認することをおすすめします。
アフターピル後に生理がこない場合の理由と対処法
アフターピルを服用し、3週間経過しても生理や消退出血などの何らかの出血がない場合は妊娠の可能性があります。
妊娠の可能性を考え、妊娠検査薬を使って検査しましょう。
妊娠検査薬は性行為から3週間以上経過していれば正確な結果が出やすいとされています。
陽性の場合
妊娠検査薬で陽性が出た場合は、できるだけ早く産婦人科を受診して詳しい検査を受けてください。
医療機関では尿検査や血液検査、超音波検査などでより正確に妊娠の有無や妊娠週数を確認できます。
陰性の場合
陰性でも生理が来ない場合は、アフターピルの影響で生理周期が遅れている可能性があります。
ホルモンバランスの乱れやストレスによって生理が遅れることもあるため、1週間後に再度検査してみてください。
それでも生理が来ず陰性が続く場合は、産婦人科を受診してホルモンバランスや他の原因を調べてもらうことをおすすめします。
よくある質問
排卵後にアフターピルを飲んでも意味ないですか?
排卵後にアフターピルを服用しても効果は限定的ですが、全く意味がないわけではありません。
アフターピルには子宮内膜の状態を変化させて着床を防ぐ作用もあるとされているため、排卵後でも服用する価値はあるでしょう。
自分が排卵前か排卵後かを正確に把握することは難しいため、迷っているよりは早めに服用することが大切です。
アフターピルを飲んでたのに妊娠していたのはなぜ?
服用のタイミングが遅れた、服用後2時間以内に吐いてしまった、すでに排卵後だった、服用後に無防備な性行為をしたなどの原因が考えられます。
また飲み合わせの悪いお薬やサプリメントを摂取していた場合も効果が低下することがあります。
アフターピルの避妊効果は100%ではないため、正しく服用しても妊娠してしまうケースはあります。
アフターピルを飲んでも妊娠する可能性はあるの?
アフターピルを正しく服用しても妊娠する可能性はあります。
72時間用のレボノルゲストレル法は24時間以内の服用で約5%、72時間近くでは約42%の確率で妊娠する可能性があります。
120時間用のエラでも約3%以下の確率で妊娠してしまう可能性があるため、服用後も妊娠検査薬で確認することをおすすめします。
アフターピルを飲んで妊娠する確率は?
アフターピルの種類と服用タイミングによって妊娠する確率は異なります。
レボノルゲストレル法は24時間以内で約0.5%、72時間以内で約3%、エラは120時間以内で約5%以下です。
確実性を求めるならエラを選び、できるだけ早く服用することが大切です。
アフターピルを飲んだら妊娠しづらいですか?
アフターピルを服用した後に妊娠しにくくなるということはありません。
アフターピルは一時的にホルモンバランスに影響を与えますが、服用後しばらくすると体内のホルモンバランスは元に戻ります。
将来の妊娠に影響することもないため、安心してください。
まとめ
アフターピルは高い避妊効果が期待できますが、100%避妊を保証するものではありません。
72時間用のレボノルゲストレル法は服用が遅れるほど効果が低下し、72時間近くでは約42%の確率で妊娠してしまう可能性があります。
服用のタイミングの遅れ、服用後の嘔吐、飲み合わせの問題、服用後の無防備な性行為などが妊娠の原因となることがあります。
消退出血がなくても生理が来れば避妊は成功していると考えられます。
3週間経っても出血がない場合は妊娠検査薬で確認しましょう。
確実性を求めるなら120時間用のエラを選び、できるだけ早く服用することが大切です。
不安なことがあればひとりで悩まずに医師に相談してください。

