アフター ピルを服用する前・した後にお酒は飲んで大丈夫?効果への影響や対処法を解説
予期せぬ妊娠を防ぐためにアフターピルを服用したものの、服用後にお酒を飲んでしまったり、お酒を飲んだ状態で服用してしまったりして「効果が薄れるかもしれない」と心配になっている人もいるでしょう。
結論から言うと、アフターピル服用前後のお酒は控えることが望ましいとされています。
しかし、少量であって正しい対処法をとれていれば、過度に心配する必要はありません。
本記事では、アフターピル服用前後に飲酒を避けるべき理由と、うっかり飲酒をしてしまったときの対処法を詳しく解説します。
すでにお酒を飲んでしまってすぐに対処したい人は、本記事を参考にしてください。
アフターピルと一緒にお酒を飲んで大丈夫?
アフターピルの服用前後にお酒を飲むことは禁止されていません。
ただし、アルコールの影響によって吐き気が強まってお薬を吐き戻したり、アルコールがからだへの吸収を阻害したりする可能性があるため控えることが望ましいです。
また、アルコールの作用で判断力が鈍っていると、服用したのか記憶があいまいになってしまうおそれもあります。
「飲んでも問題ない」ではなく「飲まないほうが確実」と考え、最低でもアフターピルを内服する日は飲酒を避けましょう。
お酒を飲む前にアフターピルを飲んで大丈夫?
お酒を飲む前のアフターピルの服用は、基本的に問題ありません。
アルコールは、アフターピルの効果を直接的に下げる作用はないと考えられているためです。【1】
ただし、全く影響がないとは言い切れません。
アフターピルを服用した直後や、体内にお薬が吸収されている時間帯に多量のお酒を飲むと、完全に吸収される前にお薬を吐いてしまったり、吸収率を下げてしまったりするおそれがあるためです。
お酒がアフターピルの効果に直接的な影響が少ないとはいえ、できるだけ飲酒前後の服用は控えるのが望ましいでしょう。
お酒を飲んだあとにアフターピルを飲んでも大丈夫?
飲酒後にアフターピルを服用すること自体は可能ですが、飲酒量と体調によっては、アフターピルの効果を下げる可能性もゼロではありません。
飲酒前にアフターピルを服用する場合と同様に、アルコールによってアフターピルの有効成分の吸収率が下がることや、吐き気・嘔吐のリスクが高まることなどが理由です。
飲酒後のアフターピル服用でとくに避けるべきは「吐く」ことです。
アフターピルの効果を最大限に得るためには、飲酒後の服用はできるだけ控えてください。
レボノルゲストレルは性行為後72時間以内、エラ(ウリプリスタール)は120時間以内に飲めれば避妊効果は得られます。
服用タイミングに困ったときは、エニピルのLINE相談をご活用ください。
LINEでエニピル公式をお友達登録しておけば、24時間365日好きなタイミングでお薬のことや避妊について専門家に相談できます。
飲酒時のアフターピルの効果
飲酒によって、アフターピルの避妊効果そのものが直接的に失われるという科学的な根拠はありません。
もっとも注意すべき点は「お薬がきちんと吸収されるかどうか」です。
アルコールの影響で胃腸の働きが鈍くなって吸収速度が遅れる可能性があり、避妊効果が十分に発揮されないリスクも否定できません。
また、酔った状態での服用は、お薬の飲み忘れや誤服用などの人的ミスにつながることもあります。
アフターピルは「正しく速やかに服用すること」が重要なお薬であるため、飲酒との併用は慎重に考えるべきです。
飲酒することでアフターピルの副作用はあらわれやすいのか
飲酒により、アフターピルの副作用(吐き気、嘔吐、めまいなど)が強く出る可能性が高まります。
アルコール自体が中枢神経に作用し、吐き気や頭痛を引き起こす性質があるため、アフターピルによる副作用と相乗的に症状が悪化するおそれがあるのです。
普段お酒を飲んでいて軽い吐き気で済む人でも、飲酒後に服用した場合は実際に嘔吐してしまう可能性があります。
アフターピルは服用後2時間以内の嘔吐で再服用の必要性があるため、体調不良が避妊失敗につながるかもしれません。【2】
飲み会後に服用しようとしている人は「すぐに飲まなきゃ」と無理にお薬を飲まず、水分をとって少し落ち着く時間をもつことも重要です。
こうした事態に備えて、アフターピルの処方を受けるときはエラの選択をおすすめします。
エラは、性行為後120時間(5日)以内に服用できれば、99~95%の妊娠阻止率を維持できます。
アフターピルの服用にあたっては、期限内に「確実に」飲むことを意識しましょう。
アフターピル服用時に飲酒してはいけない理由
アフターピル服用前後で飲酒を避けたほうがよい理由は、お薬の吸収率が落ちる、嘔吐や下痢の可能性があるなどがあげられます。
確実な避妊効果を得るために、アフターピルと飲酒の関係性は理解しておきましょう。
体内への吸収率が落ちる
お酒を飲むとアルコールが胃や腸の働きを邪魔したり、肝臓がアルコールの分解を優先したりすることで、お薬の吸収がスムーズにできなくなる可能性が考えられます。
また日常的に飲酒の機会がある人は、からだのなかでお薬を分解するスピードが早まり、からだにとどまる時間が短くなってアフターピルの効果が十分に発揮されないとした報告もあります。【3】
避妊効果を正確に得るには、服用前後での飲酒は避けるべきと言えるでしょう。
嘔吐や下痢の可能性がある
飲酒によって引き起こされる嘔吐や下痢は、アフターピルの効果を下げる可能性があります。
アフターピルは服用後、一定時間体内にとどまって吸収されることで効果を発揮するお薬だからです。
服用から2時間以内に嘔吐してしまった場合、お薬がからだに吸収される前にそのまま体外へ排出されてしまうことがあり、期待される避妊効果が得られないおそれがあります。
また、下痢によって腸の動きが早まることで、お薬が十分に吸収される前に流れてしまうリスクがあります。【4】
アルコールはもともと胃腸に刺激を与えるため、多量に飲むと吐き気・嘔吐・下痢といった症状が起きやすくなるのです。
アフターピルを服用する際には、こうした体調変化によるリスクを最小限に抑えるためにも、飲酒は控えるのが安全です。
アフターピル服用中の飲酒に関する注意点は?
どうしてもアフターピルの服用前後に飲酒する場合は「吐き気を感じるまで飲まない」ことが最低限のルールです。
アフターピルが十分に効果を発揮するためには、服用後2時間以上、体内にとどまる必要があります。
服用から2時間以内に嘔吐してしまうと、お薬が十分に吸収されず、避妊効果が得られない可能性があり、妊娠のリスクが高まることを意味します。
「吐いたのが2時間以内かどうかはっきりしない」という場合も、すぐに処方を受けた医療機関に相談してください。
アフターピルはできるだけ早く、確実に服用することが成功率を高めるカギです。
こうした場合でもエニピルの公式LINEを登録しておけば、30分以内で診察を受けられ、最短翌日にお薬がポストに届きます。
「エラ」というアフターピルであれば、性行為から120時間(5日)以内の服用でも高い避妊効果が得られるため、再処方が必要な状況でも時間的な余裕をもって対応できます。
そのため、服用後に嘔吐してしまった場合の再処方には、効果持続時間の長いエラがおすすめです。
アフターピルを飲んだあとにうっかりお酒を飲んでしまった後の対処法
アフターピル服用後にお酒を飲んでしまっても、過度に心配する必要はありません。
しかし、お酒を飲み過ぎて吐き気やめまいが生じている場合は、効果を下げないために以下のような対処をとらなければなりません。
たくさん水分をとる
それ以上お酒を飲まないようにする
横になる
ポイントは「吐かないように対処する」ことです。
確実な避妊効果を得るために、アフターピルを服用した日はしっかり対処しましょう。
たくさん水分を取る
アルコールには利尿作用があり、からだを脱水状態にしやすくします。
脱水によって胃や腸の動きが低下したり、体内の水分量が減ったりすることでお薬の吸収にも影響を与えるため、アフターピルの効果が得られづらくなる可能性もゼロではありません。
水やお茶などを意識的に多めにとり、からだの水分バランスを整えるよう努めましょう。
それ以上お酒を飲まないようにする
追加の飲酒は、からだにさらなる負担をかけ、吐き気やめまいなどを悪化させ、嘔吐を引き起こす可能性があります。
アフターピルの効果を確実に得るためにも、それ以上のアルコール摂取はやめましょう。
横になる
体調が優れない場合は無理をせず横になり、からだを休めてください。
とくに吐き気を感じる場合は、安静にすることで症状が落ち着き、お薬が体内にとどまりやすくなります。
アフターピルの効果を維持するために、最低でも2時間は吐かないように対処しましょう。
アフターピルとお酒を一緒に飲んだ人の体験談
お酒を飲んだあとにアフターピルを必要とするケースは少なくありません。
酔いの影響で体調を崩し、服用後に吐いてしまったという声もよく聞かれます。
なかには、お薬を吐き出してしまったために再受診・再処方が必要になったという人もおり、飲酒によってアフターピルを確実に服用できないリスクがあることがわかります。
このように、お酒が原因でアフターピルの効果が下がる可能性は否定できないため、服用前後の飲酒はできるだけ避けるほうが安心です。
お酒以外で一緒に摂取してはいけない食べ物・飲み物
アフターピルは、以下のものを摂取すると効果を低下させる可能性があります。
コーヒー
セイヨウオトギリソウが含まれた食品やハーブティー
グレープフルーツ
アフターピルとそれぞれの飲食物との関係性は明らかになっていませんが、避妊率を維持するためにアフターピルを飲んで避妊が成立したことを確認するまでは、避けたほうがよいでしょう。
コーヒー
カフェインが含まれるコーヒーは、アフターピルの効果に直接的な影響を与えるという明確な報告はありません。
しかし、カフェインの過剰摂取は、アフターピルの成分の吸収を阻害して効果を弱める恐れがあるため、アフターピル服用前後30分は控えることをおすすめします。
セイヨウオトギリソウが含まれた食品やハーブティー
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)は、一部の薬剤の効果を減弱させることが知られています。
アフターピルも例外ではなく、効果が低下する可能性があるため、これらが含まれるサプリメントやハーブティーの摂取は避けましょう。
グレープフルーツ
グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という成分が、からだの中でお薬を分解する働きを弱めてしまい、お薬の効果が強く出すぎるおそれがあります。
アフターピルとの明確な関係性は報告されていませんが、念のため大量の摂取は避けるほうが安全です。
アフターピル服用直後にご飯を食べても大丈夫?
アフターピルの服用直後に食事をしても問題ありません。
むしろ、空腹時に服用するよりも、何か胃に入れてから服用するほうが、吐き気などの副作用を軽減できる場合があります。
よくある質問
アフターピルとお酒に関するよくある質問にお答えします。
両者の関係性を理解し、より確実な避妊効果を得ましょう。
アフターピルを飲むと酔いやすいですか?
アフターピル自体が、アルコールに対する感受性を高めるという科学的根拠は確立されていません。
しかしアフターピルの副作用である吐き気や頭痛などが飲酒による体調不良と重なることで、より酔いやすく感じたり、不快な症状が強くあらわれたりする可能性はあります。
アフターピルを飲んだ後に吐いてしまったらどうしたらよいですか?
アフターピルを服用後2時間以内に嘔吐してしまった場合は、お薬が十分に吸収されていない可能性があるため、再度アフターピルを服用する必要があります。
処方された医療機関に連絡し、指示を仰ぎましょう。
アフターピルを飲んだ後吐いてしまうのは何時間までセーフですか?
アフターピルは、服用後2時間以上が経過していればお薬の吸収はほぼ完了していると考えられるため、2時間以上経過してからの嘔吐であれば、避妊効果への影響は少ないでしょう。
一方で、服用から2時間以内に吐いてしまった場合は、お薬が十分に吸収されていない可能性があるため、避妊効果が下がるリスクがあります。
吐いた時間が2時間以内かどうかあいまい、体調に不安があるなどの場合は、早めに医師へ相談することがもっとも確実な対応です。
タバコを吸っている人がアフターピルを飲んでも大丈夫ですか?
タバコがアフターピルの効果に直接影響を与えるという明確な報告はありません。
ただし、喫煙は血栓症のリスクを高めることが知られており、ホルモン剤であるアフターピルも血栓症のリスクをわずかながら上昇させる可能性があります。
心配な場合は、服用前に医師に相談しましょう。
まとめ
アフターピルの服用前後に飲酒すること自体は禁止されていませんが、避妊効果を確実に得るためには控えるのが望ましいとされています。
アルコールはお薬の吸収率を下げたり、副作用を強めたりするおそれがあるため、とくに服用当日は飲酒を避けるべきです。
もし飲酒してしまった場合でも、正しい対処をとれば効果が大きく損なわれることは少ないとされています。
不安なときは医療機関や、エニピル公式LINEのオンライン相談サービスを活用し、速やかに対応しましょう。
参考文献
【1】ノルレボ錠 0.75mg(レボノルゲストレル)CTD 第2部2.7 臨床概要|独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
【2】Selected practice recommendations for contraceptive use Third edition 2016|World Health Organization
【3】アルコールと薬物の相互作用について|北村正樹、景山茂
【4】薬物相互作用(20―経腸栄養剤の薬物相互作用)|平健太郎ら

