【種類別】アフターピルの失敗談事例5つ│失敗する原因や失敗したかもしれないときの対処法を解説
「アフターピルを飲んだのに妊娠してしまった」という話を聞いて不安になっている方もいるのではないでしょうか。
アフターピルは高い避妊効果が期待できるお薬ですが、正しく服用しても100%避妊できるわけではありません。
また服用のタイミングが遅れたり、服用後に嘔吐してしまったりすると避妊効果が低下してしまうことがあります。
避妊に失敗してしまう原因を知っておくことで、同じ失敗を防ぐことができるでしょう。
本記事ではアフターピルの避妊失敗率、失敗する原因、実際の失敗談事例、失敗したかもしれないときの対処法について詳しく解説していきます。
アフターピルを服用した後に不安を感じている方や、これから服用を検討している方はぜひ参考にしてください。
アフターピルを服用しても避妊に失敗することはある?
アフターピルを正しく服用しても避妊に失敗してしまうケースはあります。
アフターピルの避妊効果は100%ではなく、種類や服用タイミングによって妊娠阻止率が異なります。
72時間用と120時間用ではそれぞれ失敗率が異なるため、自分が服用したお薬の特性を理解しておくことが大切です。
ここでは種類別の避妊失敗率について解説していきます。
72時間用ピルの避妊失敗率
72時間用のアフターピル(ノルレボ・レボノルゲストレル錠・マドンナなど)の避妊率は服用タイミングによって大きく変わります。
24時間以内に服用した場合の避妊率は約99.5%とされており、失敗率は約0.05%です。
120時間以内では避妊率が約63.0%まで下がり、失敗率は約37%にまで上昇してしまいます。
つまり120時間ギリギリに服用した場合は約4割の方が避妊に失敗する可能性があるということです。
72時間用のアフターピルは時間との勝負であり、服用が遅れるほど失敗するリスクが高まります。
できるだけ早く服用することが避妊成功の鍵といえるでしょう。
120時間用ピルの避妊失敗率
120時間用のアフターピル(エラ・エラワン)は72時間用と比較して失敗率が低いとされています。
FDAのデータによると、120時間以内に服用した場合の避妊率は約95.0%以上で、失敗率は約5%以下です。
72時間用と異なり、時間経過による効果の低下が少ないのが特徴です。
24時間以内に服用すれば約99%の妊娠阻止率が期待できるとされています。
ただし120時間用であっても100%ではないため、約1〜3%の確率で妊娠してしまう可能性があります。
100人がエラを服用しても1〜3人は妊娠してしまう計算になるため、油断は禁物です。
確実性を求めるなら120時間用を選んだほうがよいですが、それでも失敗のリスクはゼロではないことを理解しておきましょう。
アフターピルを服用しても避妊に失敗するよくある原因6つ
アフターピルを服用しても避妊に失敗してしまう原因はいくつかあります。
お薬の効果が低下してしまう行動を避けることで、失敗のリスクを減らすことができます。
ここではよくある失敗の原因6つについて解説していきます。
アフターピルの服用が遅かった
アフターピルの服用が遅れてしまうと避妊効果が大幅に低下します。
特に72時間用のアフターピルは時間経過とともに効果が低下していく特性があります。
24時間以内なら約99%の妊娠阻止率ですが、120時間近くになると約63.0%まで下がってしまいます。
「まだ時間があるから大丈夫」と油断していると、気づいたときには効果が低下してしまっていることがあるのです。
またオンライン診療を利用する場合は配送に時間がかかることも考慮しなければなりません。
翌日届く配送でも性行為から24時間以上経過していることが多いため、72時間用では時間に余裕がなくなってしまいます。
時間に不安がある場合は120時間用のエラを選んでおくと安心です。
アフターピル服用後2時間以内に下痢や嘔吐をした
アフターピル服用後2時間以内に嘔吐や激しい下痢をしてしまうと、お薬が十分に吸収されず効果が低下する可能性があります。
アフターピルは服用後約2時間で腸から吸収されて血中濃度がピークに達するとされています。
この時間内に吐いてしまうとお薬の成分が体外に排出されてしまい、十分な効果を発揮できません。
アフターピルの副作用として吐き気が出ることがあり、我慢できずに吐いてしまう方もいます。
吐き気が心配な場合は事前に吐き気止めを処方してもらうことをおすすめします。
万が一2時間以内に吐いてしまった場合は、すぐに処方を受けたクリニックに連絡して再度服用が必要かどうか確認してください。
下痢についても同様で、激しい下痢が続く場合は医師に相談することが大切です。
飲み合わせが悪い食べ物・飲み物を飲んでしまっていた
アフターピルと飲み合わせが悪い食べ物や飲み物を摂取していると、効果が低下する可能性があります。
特に注意が必要なのがセイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)を含むサプリメントやハーブティーです。
セントジョーンズワートはアフターピルの代謝を早めてしまい、お薬の効果を弱める可能性があることがわかっています。
また一部の抗てんかん薬や抗結核薬、HIV治療薬なども相互作用があるとされています。
グレープフルーツジュースについては影響を指摘する見解もありますが、明確なデータは限られています。
アルコールは直接的に効果を低下させるわけではありませんが、吐き気を誘発して嘔吐のリスクを高めてしまいます。
他のお薬やサプリメントを服用している場合は、診察時に医師に伝えることが大切です。
アフターピル服用後に性行為をした
アフターピルを服用した後に避妊なしで性行為をしてしまうと、新たに妊娠するリスクがあります。
アフターピルの効果は服用前に行った性行為に対してのみ発揮され、服用後の性行為には効果がありません。
「アフターピルを飲んだから安心」と思って無防備に性行為をしてしまうケースがあります。
しかしアフターピルは継続的な避妊効果を持つお薬ではないため、服用後の性行為で妊娠してしまう可能性があるのです。
また服用後は排卵のタイミングが予測しにくくなっているため、いつ排卵が起こるかわかりません。
次の生理が来るまではコンドームなどの避妊具を必ず使用するか、性行為自体を控えることをおすすめします。
アフターピルはあくまで緊急時の避妊手段であることを忘れないでください。
アフターピルが偽物だった・劣化品だった
個人輸入などで入手したアフターピルが偽物や劣化品だった場合、効果が得られない可能性があります。
偽物のアフターピルには有効成分が含まれていなかったり、含有量が不足していたりすることがあります。
また適切に保管されていないお薬は劣化して効果が低下している恐れがあります。
個人輸入代行サイトでは出所が不明なお薬が流通していることがあり、品質を確認することができません。
正規のルートで入手したお薬であれば偽物の心配はまずありませんが、安さに惹かれて怪しいサイトで購入してしまうと危険です。
アフターピルは信頼できるクリニックやオンライン診療で処方してもらうことが大切です。
医師の診察を受けて処方されたお薬であれば、品質が保証されているため安心して服用できます。
BMIが25以上である
体格指数(BMI)が高い方は72時間用のアフターピルの効果が低下する可能性が指摘されています。
いくつかの研究ではBMIが25以上の方や体重が75kg以上の方ではノルレボの効果が低下する可能性があるとされています。
特にBMIが30以上の方では効果が大幅に低下するという報告もあります。
これはお薬の血中濃度が体格によって変化するためと考えられています。
一方で120時間用のエラはBMIが高い方でも効果が低下しにくいとされています。
WHOのガイドラインでもBMIが高い方にはエラを推奨する見解が示されています。
BMIが25以上の方は72時間用ではなく120時間用のエラを選んだほうが確実性が高まるでしょう。
種類別アフターピルの避妊失敗談
実際にアフターピルを服用しても避妊に失敗してしまった事例を紹介します。
失敗談から学ぶことで、同じ失敗を避けることができるでしょう。
72時間用ピル(ノルレボ・レボノルゲストレル・マドンナ)の失敗談
失敗談1:服用が遅れてしまったケース
「土曜の夜に避妊に失敗して、月曜日にやっと産婦人科を受診しました。すでに48時間以上経過していて、医師からは効果が低下していると説明されました。結局妊娠してしまい、もっと早く行動すればよかったと後悔しています」
このケースでは週末で産婦人科が休診だったことが服用の遅れにつながっています。
オンライン診療なら土日でも24時間対応しているサービスがあるため、週末でもすぐに処方を受けられます。
失敗談2:服用後に吐いてしまったケース
「アフターピルを飲んだ後、1時間くらいで気持ち悪くなって吐いてしまいました。クリニックに連絡したら再度服用が必要と言われましたが、追加料金が払えずそのままにしてしまいました。その後妊娠検査薬で陽性が出ました」
服用後2時間以内に吐いてしまうとお薬が吸収されていない可能性があります。
吐き気が心配な場合は事前に吐き気止めを処方してもらうことで防げる場合があります。
失敗談3:72時間ギリギリに服用したケース
「70時間くらい経ってからやっと服用しました。一応間に合ったと思っていましたが、後で調べたら72時間近くだと失敗率が40%以上もあると知りました。結局妊娠してしまい、もっと早く飲むか120時間用を選べばよかったと思います」
72時間用は時間が経つほど効果が低下するため、ギリギリの服用はリスクが高くなります。
120時間用ピル(エラ・エラワン)の失敗談
失敗談4:服用後に性行為をしてしまったケース
「エラを飲んだから大丈夫だと思って、その後また避妊なしで性行為をしてしまいました。アフターピルは飲んだ後の性行為には効かないと知らなかったんです。結局2回目の性行為で妊娠してしまったようです」
アフターピルの効果は服用前の性行為に対してのみ発揮されます。
服用後も避妊具を使用するか、性行為を控えることが大切です。
失敗談5:偽物を飲んでしまったケース
「安く買えると思って海外の通販サイトでエラを購入しました。届いたお薬を飲みましたが、後で調べたら偽物が多いサイトだったとわかりました。妊娠検査薬で陽性が出て、偽物だったのかもしれないと思っています」
個人輸入では偽物や劣化品のリスクがあるため、必ず医師の診察を受けて処方してもらいましょう。
アフターピルを飲んだ後、避妊に成功したか確認する方法
アフターピルを服用した後は避妊が成功したかどうかを確認することが大切です。
「飲んだから大丈夫」と安心せずに、しっかりと確認しておきましょう。
消退出血があるか確認する
消退出血が見られれば避妊が成功したサインのひとつと考えられます。
消退出血はアフターピルの影響で子宮内膜が剥がれ落ちることで起こる出血で、服用後数日〜3週間程度で見られることが多いです。
生理のような出血が確認できれば妊娠していない可能性が高いといえます。
ただし消退出血は全員に起こるわけではなく、出血がなくても避妊が成功しているケースもあります。
また着床出血を消退出血と勘違いしてしまう可能性もあるため、出血があったからといって完全に安心はできません。
消退出血の有無だけで判断せず、妊娠検査薬でも確認することをおすすめします。
妊娠検査薬で検査する
妊娠検査薬を使えば自宅で手軽に妊娠の有無を確認できます。
性行為から3週間以上経過していれば妊娠検査薬で正確な結果が出やすいとされています。
妊娠検査薬は薬局やドラッグストアで購入でき、価格は数百円〜千円程度です。
朝一番の尿を使用すると精度が高くなるため、検査のタイミングに注意してください。
検査結果が陰性であれば妊娠していない可能性が高いと考えられます。
ただし検査のタイミングが早すぎると正確な結果が出ないことがあるため、3週間以上経過してから検査することが大切です。
陽性の結果が出た場合はできるだけ早く産婦人科を受診してください。
病院に行って検査する
妊娠検査薬の結果に不安がある場合や確実に確認したい場合は産婦人科で検査を受けましょう。
医療機関では尿検査や血液検査、超音波検査などでより正確に妊娠の有無を確認できます。
血液検査であれば妊娠検査薬よりも早い段階で妊娠を確認できる場合もあります。
検査だけでなく体調面の相談もできるため、副作用が続いている場合や気になる症状がある場合は一緒に相談してみてください。
不安な気持ちを抱えたまま過ごすよりも、早めに検査を受けて結果を確認するほうが精神的にも楽になるでしょう。
検査をしたら陽性に!避妊に失敗したかもしれない場合はどうする?
妊娠検査薬で陽性が出た場合や避妊に失敗したかもしれないと感じた場合、焦らずに適切な対応を取ることが大切です。
ひとりで抱え込まずに、専門家や信頼できる人に相談しましょう。
婦人科・産婦人科を受診する
妊娠検査薬で陽性が出た場合は、まず婦人科・産婦人科を受診することが大切です。
医療機関で正確な検査を受けることで、本当に妊娠しているかどうかを確認できます。
妊娠検査薬は稀に偽陽性を示すこともあるため、医師の診察を受けて確定診断を得ることが重要です。
妊娠が確認された場合は妊娠週数や今後の選択肢について医師から説明を受けられます。
産婦人科の医師は多くの女性の悩みに向き合ってきた専門家なので、安心して相談してください。
どのような選択をするにしても、まずは正確な情報を得ることが第一歩です。
親やパートナーに相談する
信頼できる親やパートナーに相談することも大切です。
ひとりで抱え込んでしまうと精神的な負担が大きくなってしまいます。
特にパートナーは当事者のひとりであり、一緒に今後のことを考える責任があります。
親に相談することに抵抗がある方もいるかもしれませんが、経済的・精神的なサポートを受けられる可能性があります。
すぐに話せない場合でも、信頼できる友人や先輩など誰かに話を聞いてもらうことで気持ちが楽になることもあるでしょう。
ひとりで決断を急ぐ必要はないため、まずは誰かに相談することを考えてみてください。
妊娠相談ほっとラインに相談する
周囲に相談できる人がいない場合や、誰にも知られたくない場合は妊娠相談ほっとラインに相談することができます。
各都道府県には妊娠に関する無料の相談窓口が設置されており、電話やメールで相談できます。
匿名で相談できるため、身元を明かさずに話を聞いてもらえます。
専門の相談員が今後の選択肢や利用できる支援について情報提供してくれます。
「にんしんSOS」など民間の相談窓口もあり、24時間対応しているところもあります。
どうすればいいかわからないときは、まず電話をかけてみることで道が開けることがあります。
ひとりで悩まず、専門家の力を借りることが大切です。
まとめ
アフターピルを正しく服用しても100%避妊が成功するわけではなく、失敗する可能性があります。
失敗の原因としては服用の遅れ、服用後の嘔吐、飲み合わせの問題、服用後の性行為、偽物の服用、BMIの影響などが挙げられます。
避妊成功を確認するには消退出血の有無、妊娠検査薬、医療機関での検査という方法があります。
妊娠検査薬で陽性が出た場合は、まず婦人科・産婦人科を受診して正確な診断を受けてください。
ひとりで抱え込まずに、親やパートナー、相談窓口に相談することが大切です。
アフターピルの失敗を防ぐためには、できるだけ早く服用すること、信頼できるクリニックで処方を受けることが重要です。
不安を感じたらひとりで悩まずに専門家に相談してください。

