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排卵後にアフターピルを飲んでも意味ない?避妊の仕組みと飲むタイミングについて解説

ピル

「アフターピルは排卵後でも効果があるの?」「いつまでなら飲めばいいの?」など、緊急避妊に関する疑問をお持ちの方は多いでしょう。

アフターピルは性交渉後の緊急避妊に用いられるものですが、その効果は服用するタイミングによって大きく変わります。

この記事では、排卵後のアフターピル服用の効果や正しい使用タイミングについて詳しく解説します。

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アフターピルとは?基本的な仕組みと効果

アフターピルは、望まない妊娠を防ぐための緊急避妊薬です。避妊に失敗した際や避妊せずに性交渉をした後に使用する薬です。

アフターピルの主な作用メカニズム

アフターピルには主に3つの作用メカニズムがあります。

  • 排卵の一時的停止:排卵前であれば、排卵そのものを遅らせたり阻止したりします
  • 受精防止:精子と卵子が出会うのを防ぎます
  • 着床阻止:万が一受精しても、受精卵が子宮内膜に着床するのを妨げます

これらの効果によって、予期せぬ妊娠リスクを大幅に低減することが可能ですが、通常の避妊方法の代わりに定期的に使用するものではありません

日本で使用可能なアフターピル

日本で承認されているアフターピルは主に以下のものがあります。

商品名 有効成分 服用可能期間
ノルレボ レボノルゲストレル 性交後72時間以内
エラ ウリプリスタール酢酸エステル 性交後120時間以内

これらの薬剤はいずれも黄体ホルモン(プロゲステロン)を主成分としており、一部は卵胞ホルモン(エストロゲン)も含んでいます。

どの薬も医師の処方が必要であり、市販薬としては販売されていません。

排卵後のアフターピル服用は意味があるのか?

多くの女性が抱える疑問が「排卵後にアフターピルを飲んでも効果があるのか」という点です。

アフターピルの効果と排卵のタイミングの関係

アフターピルの効果は、女性の排卵周期のどのタイミングで服用するかによって大きく異なります。

  • 排卵前:最も効果が高く、排卵を遅らせたり阻止したりすることで妊娠を防げます
  • 排卵日当日:効果はやや低下しますが、精子と卵子の受精阻害や着床阻止の効果は期待できます
  • 排卵後:排卵を止める効果はなくなりますが、着床阻止の効果は残っています

排卵後であっても、受精卵の着床を阻害する効果があるため、完全に意味がないわけではありません。

ただし、既に着床が完了している場合(性交から5-7日以上経過している場合)は効果がなくなります。

時間経過による効果の変化

アフターピルの効果は、性交後の経過時間によっても変化します。厚生労働省のデータによると、通常期間の避妊率は以下のようになっています。

服用タイミング 避妊成功率
性交後24時間以内 99.6%
性交後48時間以内 98.8%
性交後72時間以内 97.3%

この表からわかるように、アフターピルは性交後できるだけ早く服用するほど効果が高くなります。

特に排卵日前後の妊娠阻止率を見ると、その傾向がより顕著です。

服用タイミング(排卵日前後) 妊娠阻止率
性交後24時間以内 95%
性交後48時間以内 85%
性交後72時間以内 58%

排卵日前後では、72時間以内でも避妊成功率が58%まで下がることがわかります。

つまり、アフターピルは「できるだけ早く」服用することが重要であり、排卵後だからといって完全に無意味になるわけではないものの、効果は大幅に低下するということです。

アフターピルの正しい使用タイミングと注意点

アフターピルを最大限効果的に使用するためには、正しいタイミングと使用方法を知ることが重要です。

最適な服用タイミング

アフターピルの効果を最大限に発揮させるためには、性交後できるだけ早く、理想的には24時間以内に服用することをおすすめします。

性交後72時間~120時間(3日間~5日)を過ぎると、通常のアフターピルの効果は大幅に低下します。

排卵前であれば排卵を阻止する効果があり、排卵後であっても受精卵の着床を阻害する作用が期待できますが、時間が経つほどその効果は減少していきます

特に排卵日が近い、または排卵日である可能性が高い場合は、一刻も早い服用が望ましいでしょう。

効果が得られないケース

以下のようなケースでは、アフターピルの効果が期待できないか、大幅に低下します。

  • 既に着床が完了している場合(性交から約7日以上経過)
  • 服用から2-3時間以内に嘔吐した場合(薬が十分に吸収されていない)
  • 制限時間(通常72時間)を超えて服用した場合
  • 他の薬剤との相互作用がある場合

特に服用後に嘔吐した場合は、医師に相談して再度服用する必要があるかどうかを確認することが重要です。

アフターピル服用後の注意点

アフターピルを服用した後も、いくつかの注意点があります。

  • アフターピルの効果は一時的なものであり、その後の性交渉には別途避妊が必要です
  • 服用から次の生理までの期間は、別の避妊方法を併用しましょう
  • 生理予定日から1週間以上遅れる場合は、妊娠検査を行うことをおすすめします
  • 副作用(吐き気、頭痛、めまい、不正出血など)が出ることがありますが、通常は24時間以内に改善します

アフターピルはあくまで「緊急避妊」のための薬であり、通常の避妊法の代わりにはなりません。

長期的な避妊を考える場合は、低用量ピルやコンドームなど、より適切な避妊方法を検討しましょう。

自分の排卵日を知って適切なタイミングで服用するには

アフターピルの効果を最大化するには、自分の排卵日について理解しておくことが役立ちます。

基礎体温による排卵日の把握

基礎体温を毎日測ることで、排卵のタイミングをある程度予測することができます。

  • 低温期から高温期への移行時が排卵日の目安になります
  • 通常、生理開始から約14日前が排卵日とされています
  • 個人差やストレスなどで変動することもあります

基礎体温を継続して記録することで、自分の排卵パターンを把握しやすくなり、緊急時の判断材料になります。

しかし、基礎体温はあくまで目安であり、完全に正確ではありません。不規則な生理周期の方は特に注意が必要です。

排卵検査薬の活用

排卵検査薬を使用すると、より正確に排卵日を予測することができます。

  • 尿中のLH(黄体形成ホルモン)の量を測定し、排卵の約24-36時間前に陽性反応が出ます
  • 検査薬が陽性となった日から1-2日後が排卵日と予測できます
  • 薬局やドラッグストアで購入可能です

排卵検査薬を定期的に使用することで、自分の排卵パターンを把握しやすくなります。

これにより、避妊の失敗やリスクがあった場合に、自分が排卵前なのか後なのかを判断する材料になるでしょう。

アフターピルの副作用と安全性について

アフターピルは緊急時に使用する薬剤ですが、その副作用や安全性について理解しておくことも重要です。

一般的な副作用

アフターピルには以下のような副作用が報告されています。

  • 吐き気・嘔吐(最も多い副作用)
  • 頭痛やめまい
  • 不正出血(次の生理までの間に少量の出血がある場合があります)
  • 疲労感や倦怠感
  • 下腹部痛
  • 乳房の張りや痛み

これらの副作用のほとんどは一時的なもので、通常24時間以内に改善します。

ただし、激しい腹痛や大量の出血、長期間続く副作用がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

安全性と誤解

アフターピルについては様々な誤解がありますが、以下の点は科学的に証明されています。

  • 妊娠判明後に服用しても胎児への悪影響はない(アフターピルには中絶作用はありません)
  • 将来の妊娠能力に影響しない
  • 長期的な健康リスクはない
  • 依存性はない

アフターピルはあくまで緊急避妊のための薬であり、定期的な避妊法として使用すべきではない点に注意が必要です。

頻繁な使用は生理不順などの原因になることがあります。

アフターピルと通常のピルの違い

アフターピルと通常の低用量ピルは似ているようで大きく異なります。それぞれの特徴を理解しておきましょう。

成分とホルモン量の違い

アフターピルと低用量ピルには、成分やホルモン量に大きな違いがあります。

アフターピル 低用量ピル
ホルモン量 高用量(1回分) 低用量(毎日少量)
主な成分 主に黄体ホルモンのみ 黄体ホルモンと卵胞ホルモンの組み合わせ
使用タイミング 性交後の緊急時のみ 毎日定時に服用

この表からわかるように、アフターピルは一度に高用量のホルモンを摂取する緊急避妊薬であるのに対し、低用量ピルは毎日少量のホルモンを継続的に摂取するものです。

アフターピルのホルモン量は低用量ピルの数倍〜数十倍にもなるため、副作用も強く出やすいという特徴があります。

定期的な避妊としての選択肢

計画的な避妊を考える場合、アフターピルは適切な選択肢ではありません。

  • 低用量ピルは正しく服用すれば99%以上の避妊効果があります
  • 低用量ピルには避妊以外にも、生理痛の軽減や肌荒れ改善などの効果があります
  • コンドームと併用することで、性感染症予防と高い避妊効果を両立できます

低用量ピルは避妊だけでなく、脳に妊娠したと錯覚させることで生理痛や PMS などの生理に伴う不快な症状を軽減する効果もあります。

定期的な性生活がある方は、アフターピルに頼るのではなく、より計画的で体への負担が少ない避妊法を選ぶことをおすすめします。

アフターピルの入手方法と費用

アフターピルは緊急時に必要になるものですが、入手方法や費用について事前に知っておくことが大切です。

処方してもらえる医療機関

アフターピルは医師の処方が必要な薬です。以下の医療機関で処方してもらえます。

  • 産婦人科クリニック(最も一般的)
  • 婦人科のある総合病院
  • 一部の内科や皮膚科(処方可能な医師がいる場合)
  • オンライン診療(一部の医療機関で対応)

休日や夜間は救急外来でも処方してもらえる場合があります。

事前に電話で確認してから受診するとスムーズです。また、オンライン診療での処方も増えてきており、自宅にいながら処方してもらえる場合もあります。

費用と保険適用

アフターピルの費用は医療機関によって異なります。

項目 費用の目安
診察料 3,000円〜10,000円
薬剤費(ノルレボ) 10,000円〜20,000円
合計 13,000円〜30,000円程度

この表はあくまで目安で、医療機関によって大きく異なる場合があります。

アフターピルは保険適用外の薬であるため、全額自己負担となります。

ただし、性犯罪被害者の場合は、警察に相談することで費用が公費負担になる場合があります。

まとめ:排卵後のアフターピルと適切な避妊について

この記事では、アフターピルの効果と適切な使用タイミングについて解説してきました。

  • アフターピルは排卵前がもっとも効果的で、排卵後は効果が低下するものの、着床阻止の効果はあります
  • 最も効果的なのは性交後24時間以内の服用で、時間が経つほど効果は低下します
  • アフターピルは緊急避妊のための薬であり、定期的な避妊法ではありません
  • 副作用はあるものの、多くは一時的なもので、将来の妊娠能力に影響はありません
  • 計画的な避妊には、低用量ピルやコンドームなどより適切な方法があります

もし避妊に失敗したと感じたら、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

また、将来的には自分に合った避妊法を見つけて計画的に実践することで、緊急避妊に頼る必要のない生活を目指しましょう。

あなたの身体と将来を守るために、正しい知識を持ち、適切な避妊方法を選ぶことが大切です。

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